ヤクブ・スウォビィクが語る日本
我らがベガルタ仙台のゴールキーパー、「クバ」ことヤクブ・スウォビィク選手が受けたポーランドメディアによるインタビュー記事を先日見つけたので、それを意訳していきます。
元記事:
――スウォビィク選手は2019年7月からベガルタ仙台でプレーしていますが、日本での生活をどのように感じていますか。
日本で生活し、サッカーをプレーすることができて嬉しく思っています。Jリーグは非常に面白いリーグで、試合のレベルも高いんです。サッカー選手にとって重要な、自分自身の成長を感じています。街並みも美しく、ここに移り住む決断をしてよかったと思います。
――日本はポーランドの裏側に位置する国です。そのため、適応するまでになにか問題はありましたか。
ありませんでした。来日初日から私が不自由なく生活できるように全てのことをやってくれました。私には通訳がいて、色々な手助けをしてくれます。言葉や文化の壁はありますが、とても親切です。英語を喋れない人でも優しくしてくれますね。サポーターも受け入れてくれて、特に問題はありませんでした。もちろんアジアの国ですし、文化も大きく異なります。その点真新しさはありましたが、時間が経って慣れてきました。
――移籍の経緯を教えてください。
私は以前シロンスク・ヴロツワフの選手でした。その時に私の代理人が日本行きの選択肢があると伝えてくれました。ベガルタは私の獲得に非常に熱心でした。実際に代理人が伝えてくれてから具体的なオファーが届くまでは、2日しかかかりませんでした。ですので、強化部の方は決意を持って私を獲得したと思います。
――日本で最も気に入ったこと、そして最も驚いたことは何ですか。
成長することは非常に重要で、サッカーのおかげで地球の反対側まで来ることが出来ました。これは素晴らしいことです。私は以前まで旅行でさえ日本を訪れるとは思っていませんでしたが、今やそこに毎日いて、暇さえあれば旅行が出来ます。日本語や文字は厄介です。何かを読むことはまるで「黒魔術」をやっているようで、来日してからは少し驚きました。ですがここで時間を過ごして、徐々に慣れてきたと思います。来日して初めの6か月間は満員のスタジアムでプレーすることが出来ていましたが、その後はコロナウイルスの影響で残念ながら状況が変化しました。サポーターの方々の存在は日本サッカーの強みです。スタンドにいるのがご年配の女性であっても、小さな男の子であっても、力の限り応援してくれます。彼らにとって、選手たちは特別な存在なのです。
――日本においてサッカーはメジャーなスポーツなんですね。
そうですね。最も人気のあるスポーツの一つであることは間違いありません。
――ポーランドと日本の文化的な違いがコミュニケーションに影響することはありますか。
私はほとんどの時間を日本人以外の外国人と過ごしています。しかし日本人とも時間を過ごそうと努力をしています。コミュニケーションが難しいことは明らかですが、通訳の方が助けてくれます。日本人の方々はポーランドに対しても興味津々なんです。彼らはポーランドの歴史や料理について知りたいようで、日本人は食を愛好するので、そのことについてよく意見交換をしています。ただ直接的なコミュニケーションではなく、通訳の方の助けがあってのものですけどね。
――ポーランドのサッカーと比べてJリーグをどのように感じていますか。
日本人選手はテクニックに優れているので、ボールスピードがポーランドよりも速いんです。リーグのレベルも高いと思います。日本に来る外国人選手も、リーグのレベルをさらに高めていますね。外国籍の選手の中でも、多くのブラジル人選手が日本では活躍しています。技術面に関しては、どの選手も高いレベルにあります。
――昨年はチームのMVPに選ばれました。昨シーズンを振り返っていただけますか。
世界中でもそうでしょうけど、非常にタフなシーズンでした。パンデミックの影響ですね。第1節を2月におこなって間もなくリーグが中断しました。その後何度も再開の日程が先延ばしにされました。日程が最終的に決定したのは7月で、スケジュールが非常にタイトでしたね。チーム全体として思い描いていた試合は出来ませんでした。私自身はゴールキーパーとして、リーグのレベルも高いので、毎試合が大きなチャレンジでした。
――サッカー選手としてポーランドに戻る予定はありますか。
私は今、日本にいて幸せです。来シーズンの契約も結びました。私はこの場所、この瞬間に集中しています。しかし人生はどんなことでも起こり得ます。将来なにが訪れるかも楽しみです。ただ、今与えられたこの瞬間を私は楽しんでいます。
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