星にまつわるエトセトラ
突然だが、わたしの部屋には貝殻でできた吊るし飾りがある。
物心がつく以前から飾られているそれは、白くて薄くてまあるい飾りがいくつもぶら下がっていて少しだけ光に透けている、風に揺られるとしゃらしゃらとなんだかとても素敵な音を奏でる。風鈴も風情があって好きだけれど、この飾りは風鈴よりも優しい音がするのでわたしはこちらの方が気に入っている。
もし星が瞬く時に音が鳴っているなら、こういう音なんじゃないかと思うのだ。
先日の暮れ、西の空にひときわ明るい星を発見した。
調べてみるとおそらく金星とのことだった。まだ夕焼けの残る空で輝いていた金星はなんというか、チカチカという音が一番あっている気がした。六芒星から想起されるようなお星さまのキラキラ、というよりは輝いている金の砂だったり細かいガラス片のきらめきに似ていた。
わたしの部屋にある飾りはなんとなく銀色の星、という感じがする。しゃらりと鳴る銀の星と張り詰めた空気の暗闇の中チカチカ輝く金の星について頭の中でイメージしてみる。
うん、なんだかとっても綺麗。
綺麗なものについて考えているとわたしの脳みそも綺麗になっていく気がするから不思議だ。
わたしは一応理系の学部に席を置いている学生ではあるが、地学に関しては昔からからっきし苦手で金星など太陽系の天体のこともあまり意識したことがない。どちらかというと、金環日食のときだけ意気揚々と専用のメガネを買ってみたりする超エンジョイ勢なのだ。おそらく界隈の人から一番眉を顰められるタイプ。
でも、そんなわたしだけれど「宵の明星」という言葉がかなり好きだ。
確か小学生の時に塾で教わった言葉。宵、というのは昔の人達が夜を三つに分けたときの一番目の時間らしい。つまり最初の夜だ。
じゃあその次の二番目の夜はなんていうの?
調べてみたけどいまいちわからなかった。みんな寝てしまうから名前をつける必要がなかったのだろうか。昔の人はそういうちょっと雑なところがある。
当然、わたしは宵の時刻になど眠ることが出来ないので、大体いつもわたしが寝る時間の24〜25時頃にあたる言葉を募集しています。わたしがときめくような綺麗な言葉が付いたら嬉しいな。