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ふわふわな服

 先日友人と一日中歩き続けるという遊びを決行した。
その友人はわたしと同じで散歩が好き、歩き続けることを苦だと思わないタイプの子で、幾分か前にSNSで少し流行った「伊能忠敬界隈」をやってみないか、と以前から話していたのだ。
ちなみに伊能忠敬界隈とは、散歩が好きという範疇を超えて歩きまくる人たちのこと。わたしは流石にこの界隈に属せるほどの脚力は持っていないのでパ伊能忠敬(パギャルの伊能忠敬版)を自称しようと思う。

 数時間の散歩をする中で、趣味や考えを共有できる相手がいることはとっても嬉しいことだと改めて実感した。彼女とは中学生の頃に知り合ったのでもう6、7年の付き合いになるのだが、多分在学中の頃だったら同じように歩いていても、もっと浅い会話しかできていなかったと思う。
 不思議なことだけれど、学校で毎日会っていた時よりもなかなか会えない今の方が友人達との心の距離は近い気がする。これはわたしだけかもしれないが、以前まで学校でやり過ごすために無意識に張っていた薄いバリアの様なものが無くなって、本当の自分として接することが出来ているからかもしれない。
 卒業して遠方へと越してしまった友人もいるが、これからも繋がりを大切にしていきたい。

 ちなみに話は変わるが、この日わたしが着ていた服はふわっふわのワンピース。これから長距離歩くとはとても思えない。TPOてきなやつを考えた方がいいんじゃないか。
 でも、仕方がないのだ。ふわふわなチュールのワンピースは歩行のサポートはしてくれないが、なんてったってとんでもなくかわいいのだ。

 スタバの期間限定ドリンクをチュールに充てがってみる。うん、かわいい。
 電車で座れたタイミングに自分のもも部分を見る。かわいい。
 大学で苦手な講義を受けるとき、俯きがちに教授から目を逸らすと自分のふわふわな服が目に入る。え、かわいい!!!!!!

 着こなせているか、などは些細な問題。もちろん、かわいいふわふわの服が似合うような人間になりたいとは思っているが。
 引っ込み思案でつい下を向いてしまうわたしには、ふわふわのお洋服は戦闘服かつ防御アーマー、そしてエネルギーを与えてくれるもっとあたたかい何かなのだ。
 だからわたしは明日からの日々も、かわいいの気持ちを力と元気に変えて生き抜いていこうと思う。

 余談だが、この日は予定時間より20分ほど遅れた集合となった。わたしの周囲の人々はたいてい時間にルーズなので、このようなことはザラにある。皆自分の遅刻にも相手の遅刻にも寛容。
しかしきっと社会に出たらそうはいかないと思うので、どこかのタイミングで全員矯正する必要があるかもしれない。今から怯えている。

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