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本当に働きたい?

あなたは本当に働きたい?

 『もし、宝くじが当たったら・・・』だれもが一度は考えたり話題にしたことがある妄想だと思う。
 美味しいものを食べて、旅行に行って、貯金して・・・仕事を、やめる?

 最近は宝くじが当たったとしても絶対に仕事はやめないでください。という情報が耳に入るようになったので、やめる人はもしかしたら少ないかもしれない。でも永久的に働かなくても一定の水準で暮らせるくらいお金に困らなかったら?働かずとも衣食住を気にせず、周りとの劣等感に苦しむことがなかったのであれば?
 今の世の中どれぐらいの人が仕事を続けるだろうか。
 人とのつながり。社会とのつながり。存在価値。労働の対価以上のものが仕事にはある、のか?もしある人は幸せ者だろう。確実に人生においての軸を一つ持っていることになる。そんなこと二の次、お金が大事。お金がなければそもそも生きていけないし、好きな食べ物も服も、好きな人と一緒にいることさえ選べない。だから仕方なくやりたくないことをやって、その対価に自分のための時間を買うのだ。そう割り切れる人も、また幸福。脳のプログラムがすごく正常に働いている。

 ここで私事ながら過去の仕事(をしていた時)にさかのぼらせて頂く。
 名前を書けば受かるような大学で親の金で4年間遊び惚けていた私は、これって犯罪スレスレなのでは?みたいなコールセンターで働いていた。(あ、もちろん詐欺ではないです。)その後1年もたたず「自分がやりたいのは ❝ こんな仕事 ❞ じゃない!!」そう思って会社を辞めた。その後アルバイトや正社員、契約社員を経たが一年以上続く会社はなかった。
 稀に面白ブラックみたいな会社もあった。当時は全く笑い事ではなかったが、法律関係の仕事だったにもかかわらず、ワンマン社長パワハラセクハラ祭り。尚、時間外労働は当たり前。みたいな。嫌な記憶過ぎてあまり覚えていないけど、ミスをしたら社員全員の前でお叱りを受け、その後社員全員の目の前で謝罪をさせられる。そんな会社。私は入ったばかりで、先輩の言うことに忠実に、何とか気に入ってもらえるように愛想よく。でも舐められないように。先輩や社長の機嫌を必死にうかがっていた。「もう自分には後がない。この会社に何をされても3年、いや、せめて1年はしがみつかなければ。」そう思った一週間後。私は無職になっていた。

 きっかけは私のミス。しかし自分なりに合っているか不安で上の先輩に合っているか確認したものの起こったミスだった。最初に怒られたときは謝罪した。だが、謝り方が気に入らなかったようだ。「先輩に確認したのだから自分はそれほど悪くないのではないか」そんな思いが顔に出てしまっていたのだろう。入社初日だったらそれほど悪くなくても謝れていたかもしれない。だがもうたった一週間程にもかかわらず、この社長の機嫌の悪さが態度に出るところ、もっと悪いと愚痴や説教を1時間近く聞く日々にもう限界だったのだ。「ご立派に人のせいにしてるけど何様?」「この子日本語通じないからスペイン語かなにかで説明してあげて?」「社会人としてこんなこともできない子だって理解して指導してあげなきゃダメだよ」もちろん全社員の目の前。私を通し先輩が言われる。泣くつもりはなかった。絶対に泣きたくなかった。でも目からあふれ出てしまった。私が泣いてしまった後も続く社長の説教は午前の仕事時間を消した。
 社長の言う『誠心誠意』を込めた謝罪をし、社長が満足気に会社をあとにした。平常心を装い、残りの仕事を片付けた次の日。私は会社に行かなくなった。

 人より忍耐力がなく、そして人より無駄なプライドと欲望に忠実な行動力だけがあって、悲観的。たぶん上記のブラックな状況に置かれなくとも私の仕事は1年続かないようなもので。あの社長はある意味見抜いていたのかもしれない。そんなことを考えても現状私は私なのでどうしようもないけれども。
 なんだかんだ次の仕事につけたものの相変わらず自分に自信のないまま、一生この仕事をこの会社でやり続ける覚悟がないまま、ミスをするたびに自分が削られていくような感覚と年下の子より不出来な自分に対する劣等感が捨てきれないまま、周りの人に恵まれたホワイトで大好きだった会社も辞めてしまった。

 繰り返すが私は仕事が一年も続いたことがない。正真正銘の社会不適合者で、社会人5年目なはずなのに大したスキルも持ち合わせていない。社会的な市場では全く価値のない商品となっている。それでも社会では拾ってくれるところもあるようで、やらくては!と一念発起して会社で働いては、すぐに辞めてを繰り返す。それ自体が会社にとって迷惑なのもわかっているが、どうしても『働いている自分』と『自由なお金』が欲しいし、どうしても『出勤』と『逃げられない自分』に耐えられなくて辞めてしまう。どうしたらそんな自分に終止符が打てるのか、今も模索中である。

 辛いなと思いながら会社に行けるあなたは素晴らしい努力をしてる。
 疲労困憊な体を引きずってでもやりたい仕事があるあなたは幸運。
 
 どちらの力も、当たりくじ以上の価値があると私は思う。
 まず私は、宝くじを買うお金を貯めることから始めてみることにする。


#私の仕事

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