マーケティングと宣伝プロモーションの違い(多くのゲームアプリマーケターが間違っている事実)
「マーケティングとは何か?」
「宣伝プロモーションとは何が違うのか?」
こう質問したら、どれだけの人が明確な回答ができるでしょうか
実際のところ20年以上に渡ってゲーム業界でマーケティングの仕事をしてきた結果、わかったことは
多くの人が「マーケティング」と「宣伝プロモーション」の違いを認識しておらず、むしろ両者は「同義である」と考えていることが多いということ。
今回は実際に筆者(=トロネコ)が経験した具体的な事例をご紹介しながら
「どうすれば両者の違いを理解して実行できるのか」
「そしてマーケティングとは何か?」
マーケティングに詳しくない人でもわかりやすいように、丁寧に解説いたします。
「マーケティング」と「宣伝プロモーション」の違いを理解できていない具体例
「マーケティング」と「宣伝プロモーション」の違いを理解できていない具体例をあげてみましょう。
「マーケティングとはリアルイベントやネット番組を実施すること」
「マーケティングとは市場調査である」
「マーケティングとはYoutuber施策、デジタル広告を効率的に運用すること」
「マーケティングとはSNSを使ってファンを獲得すること」
このようなことをマーケティングという言葉で括って表現してしまう場面に何度も遭遇してきました。
もし、御社にマーケティング部門が存在するならば、マーケティング部門の役割や目標設定の多くは
「ユーザーを獲得すること」(=DAUを維持する)
「今期の事業計画を達成すること」(=売上、または利益を確保する)
といったことに注目しがちかもしれません。
しかし、これらの事例はすべて「マーケティング」と「宣伝プロモーション」を理解しておらず、両者が混在している状態といえます。
マーケティングとは何か?シンプルにワンフレーズで説明できます
ならば、マーケティングとは何なのか?
実はそれほど複雑な説明は必要ありません。
ワンフレーズで誰でも簡単に説明することができます。
「マーケティングとはモノが売れる仕組みづくり」
ただそれだけのことなのです。
トロネコはゲーム業界で働いていますので、ゲーム事業にに例えれば
「マーケティングとはゲームが売れる仕組みづくり」
となります。
どんな業界にも置き換えて使える便利なフレーズです。
マーケティングとはお金を使ってモノを売るのではなく、「モノが売れる仕組みをつくること」です。
モノが売れる仕組みをつくる上で、どうしてもお金が必要な場面もあるでしょう。その場合、お金を手段として使ったりします。
お金で実施する施策はあくまでもマーケティングにおける手段のひとつに過ぎないのです。
そして重要なのは「モノが売れる仕組み」は3つのプロセスに分解できます。
①つくるマーケティング
②とどけるマーケティング
③とどけつづけるマーケティング
の3つです。
ゲーム事業の場合、「①つくるマーケティング」で事業の成功確度の80%が決まってしまいます。なぜなら面白いゲームであることは大前提であり、つまらないゲームはどんなに「②とどけるマーケティング」で届けてもユーザーに伝わらないからです。
そして、一般的に「広告プロモーション」と言われている部分は「②とどけるマーケティング」に相当します。
つまり、
「マーケティング」と「宣伝プロモーション」の違いを説明するならば、「宣伝プロモーション」は「マーケティング」の一部に該当するけど、「マーケティング」と同義ではない、となります。
下記の記事で詳しく書いていますのでお時間がありましたら一度ご覧ください。
なぜマーケティングは必要なのか?
穴の空いたバケツをイメージしてみてください。
勢いよく水を入れれば、瞬間的に水が溜まったような状態を作れるかもしれません。
しかし時間が経てば水は無くなってしまいます。
つまらないゲーム=戦えるだけの魅力がないゲーム=「①つくるマーケティング」ができていないゲーム
これらは全部、穴の空いたバケツのようなものです。
穴の空いたバケツを作らず、「②とどけるマーケティング」(=宣伝プロモーション)によって汲んだ水が溜まるようなバケツをつくることがスマホゲーム事業には必要です。
なぜならスマホゲーム事業は、もしかしたら穴の空いたバケツでも売り逃げができるかもしれない「売り切り型ビジネス」ではなく、長い時間をかけてユーザーとの関係を築いた結果、利益を得られる「運用型ビジネス」だからです。
穴の空いていない、水が溜まるバケツをつくるためには、ゲーム開発チームだけでなく、そこにマーケティング力も必要です。
なぜなら、バケツの穴は一見空いているように見えなくても、実は小さな穴が空いていたり、突然、穴が開くかもしれないからです。
または水の勢いに耐えられないバケツを作ってしまうかもしれません。
マーケティングはあらゆる未来を想定して
事前に先回りをしながら「モノが売れる仕組み」をつくることです。
ここが「①つくるマーケティング」であり、下記の記事ではその重要性をご紹介しています。
そして「①つくるマーケティング」ができてしまえば、「②とどけるマーケティング」はあくあでも、①でつくった魅力を適切、かつ効率的に伝えるだけの作業に過ぎません。
多くのマーケティング責任者が「マーケティング」を理解しながらも諦めている事実
実は、ここまでの話はゲーム事業のマーケティング責任者の多くはわかっています。
ただし問題なのは頭ではわかっていても、諦めて実行しないケースが非常に多いのです。
「そんなことはわかっているが、いまを乗り越えるだけで精一杯」
「遠い未来よりも、日銭を稼ぐことが重要」
「そんなハイレベルのマーケティングができる人材がいない」
「我々はまだ未熟であり、いずれはそうありたいと思うけど、もう少し先の話」
わかっていながら、踏み出せなければ未来は変わらず、ずっとこのままです。
トロネコも20年に渡ってマーケティングをやってきましたが、この状況が全く解決できないため、誰でも無料で学べる「トロネコのゲームマーケティング大学」を始めるに至りました。
もちろん、マーケティングの重要性を十分にわかっていて、一歩を踏み出しているゲーム会社も多数存在します。
いまはそれほど差はついていないかもしれませんが、これから数年後には埋められないほどの差がゲーム会社間でついてくるでしょう。
マーケティングは個人でなく、組織に浸透することで大きな力になります。
そのためにはまず「マーケティング」と「宣伝プロモーション」の違いを理解するところから始めるのは、最初の一歩としてはおすすめです。
お知らせ
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