「あの胸にもういちど」のハーレーは、原作通りなら違う型だった?
この記事を作成中、タイムリーな事に永野芽郁さんという女優さんがハーレーダビッドソンジャパン公式YouTubeチャンネルに2023年モデルの「ストリートボブ114」をカスタムしたハーレーと共に出演されていた。
何故取り上げたかというと、永野芽郁さんの黒いハーレーに黒のライダー服で統一するスタイルはこの映画「あの胸にもういちど」が元になっているからで、アニメ「ルパン三世」でも峰不二子が黒のレザースーツでバイクに乗るシーンがあります。
何故この記事タイトルかと言うと、邦題「あの胸にもういちど」のフランス語原題の意味が『オートバイ』だからで、何のバイクなんだろうと調べてみた訳です。
ちなみに英語だと『THE GIRL ON A MOTORCYCLE』になっており、『オートバイに乗った少女』でしょうか。
この記事を作成時に資料として自分が持っていたのは、映画チラシとプレスシートのみ。
映画チラシには、"ハーレー1200"としか記載されていなく、プレスシートには"デュオ・グライド"という単語が。
この情報で画像検索してみたのだが、全然見つからなく途方にくれていました。
※ハーレー・ダビッドソン公式のWEBサイトには、旧モデルが掲載されていないようです。
最後に見つけたのは、ネットのYahoo!知恵袋だったのですが、"エレクトラグライド"とありました。その後、見られるのはそのタイプのみで“デュオ・グライド"のデの字もありませんでした。
これはいよいよパンフレットを買って確認せねばと思い、探してみると複数の種類がありましたが検証のためと思い、覚悟を決めて買いました(*_*)
検証した結果、全て"デュオ・グライド“でした…。
仕方ないので、"デュオ・グライド"と"エレクトラ・グライド"の違いを調べてみたが、「電気式スターターの有無」の違いだけでした。
映画でマリアンヌ・フェイスフルが乗っていたハーレーは、画像のパーツから見て1968年式FLHエレクトラ・グライドをベースにカスタムしたもので間違いないのではと思います。
下記に一番近いのではないかと思われる画像データのある英語サイトを記載します。
"エレクトラ・グライド"は1965年からで、その前が"デュオ・グライド"。この映画が上映されたのは1968年。
もしもハーレー社がスポンサーになっていたら、その年の最新型バイクを宣伝用に提供すると思うので“エレクトラ・グライド"になる。
そうすると、何故パンフレットやプレスシートに"デュオ・グライド"記載にしたのか?あと、映画チラシも"ハーレー1200"となっているのか?
更に調べてみると解ってきたのが、
「原作に忠実」かどうか?で変わっていたかもしれないという事。
原作は、フランスの小説家アンドレ・ピエール・ド・マンディアルグの "La Motocyclette"であり、1963年に出版(日本では1965年)されている。つまり、原作に忠実であったならば"デュオ・グライド"になる。
調べによると、原作小説にはバイクについての詳細がなく、ハーレー・ダビッドソン、排気量1200ccのみのようだ。
つまりは排気量1200ccでハーレーであれば何でもいいという感じになるのか?
パンフレットやプレスシートにスペックが記載されているが、これを元に探すのもそろそろ大変になってきたためここまでで。
今後の一番の楽しみは、リバイバル上映時に販売される時のパンフレットの内容についてだ(リバイバル版のパンフレットはまだ出ていない印象)。
つまり、「"あの胸にもういちど"のハーレーは、何グライドだったのか?」に決着がつくかもしれない。
➖小ネタ➖
★アラン・ドロンが後ろにマリアンヌ・フェイスフルを乗せた赤いタンクのバイクは、1968年モデルの"英国Norton社のAtlas750"ではないかと思います。スポンサー提供?
★昔のバイクにサイドミラーはおろかウィンカーもない?
資料によると普通、ハンドルにあるはずのサイドミラーが左足側にある。
ウィンカーがないのは、方向転換の際に腕で合図を送るという手信号が主流だった時代か?
最後に気になるのは、何故ハーレーのヘッドライト3連全て同じ色(オレンジ色?)なのかってところですかね。
この記事を作成するのは大変でしたが、色々勉強になりました。
ちなみに、上映された1968年はフランスのパリで5月革命が起き、その流れで会期途中であった第21回カンヌ国際映画祭をゴダールとトリュフォーらが中止させた年でもありました。