見出し画像

ウォーホルの《最後の晩餐》とHONDAのバイク

※トップ画像のマークは、1980年に使われていた『ウィングマーク』デザイン。

2023.11.30追記:先日、鮮明な参照画像となる書籍を見つけたので引用元として掲載し、内容も合わせて更新しました。

引用元:株式会社マガジンハウス/カーサ ブルータス特別編集
『アンディ・ウォーホルの基礎知識。』

画像をクリックするとマガジンハウス社の書籍ページへ飛びます。


 録画していたNHKEテレ東京の日曜美術館「ウォーホルの遺言 〜分断と格差へのまなざし〜」をみていて気付いた事。

 紹介されていたアンディ・ウォーホルの1986年の大型作品《最後の晩餐》、存じてはいたがじっくりみる機会がなかった。
その中でも前から気になっていたのが、作品中にある同じデザインらしき3台のバイク。

最後の晩餐(1986年)アンディ・ウォーホル美術館所蔵
※見開きページのため、見辛くなっております。

絵にある3台のバイクの内、右下の部分を拡大したもの。

引用した最後の晩餐(1986年)画像2点

株式会社マガジンハウス/カーサ ブルータス特別編集 『アンディ・ウォーホルの基礎知識。』から。


以前に初めてみた時、「このタンクのマーク、HONDAだよなぁ…。」とその時は何となくで終わっていた。

今回、停止画面でじっくりみる事が出来たので調べてみた。

おそらくではあるが、バイクはHONDAの
『750カスタム エクスクルーシブ(750CUSTOM EXCLUSIVE)』と思われる。

750カスタム エクスクルーシブ(750CUSTOM EXCLUSIVE)

本田技研工業(株)サイト 1980年05月20日ニュースリリース記事より 


どのようにして見つけたかは、以前からCB400フォアを知っていたため、短い二本のマフラーに注目して画像検索。
決め手は、前輪のホイールデザイン。最終的に細かいシルエットを照らし合わせたのだが…。

実は、もう一つ似たようなのがある。それが『CB750カスタム』。

CB750カスタム

本田技研工業(株)サイト 1981年04月22日ニュースリリース記事より


 参考資料のリンク先によると、それぞれ1980年と1981年のニュースであり、「最後の晩餐」制作年の1986年以前なので可能性がある。(※ただし、国内販売品なので海外向けモデルについては、すぐには見つけられず…。)

何故、エクスクルーシブの方を選んだかという根拠は2つ。

  1. 限定販売品である。

  2. エクスクルーシブ(EXCLUSIVE)の複数ある意味の中で、『唯一の』という文字とHONDAのウィングマークのモデルである『勝利の女神ニケ』の組み合わせによって、作品中にある『THE BIG C(がん、もしくはエイズ)』に勝とうとした。

ウォーホル本人がどちらかを選んだかは不明だが、2番ならばしっくりします。

 しかし、このタンクのウィングマークが無かったら、わからないままだったかもしれないし、バイクの事を初めはアメリカを象徴するハーレーだと思い込んでいただけに、実に不思議な感覚を覚える。

あと、たまたまかと思いますが「THE BIG C」、現在脅威であるコロナウィルスの正式名称「COVID-19」の頭文字Cであるのも、何かの偶然なんでしょうかね。

ウォーホル氏へ。願わくば、あなたの勝利の女神ニケの鉄馬(バイク)で、コロナを吹き飛ばして欲しいものです。

いいなと思ったら応援しよう!