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スピラ旅行記 その35
ヴァルファーレと華麗に舞い落ちたユウナを探して一行は寺院へ向かいます。やってきた試練の間はこれまでと様子が異なり、機械とマジカルさが入り混じったような不思議な空間。ネオンっぽい光でできた滑るように移動するエスカレーターのような乗り物を操り、祈りの間を目指します。
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この間もワッカは頭を抱えていたのではないでしょうか。
ここの試練の間は同じような景色のため迷いやすいですが、構造そのものは複雑ではなく比較的スムーズに宝箱の回収も済ませて進むことができます。
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到着するや否や真っ先に「ユウナは!?」と言うティーダ。
やはり掟に従い祈りの間に行こうとはしない他のメンバー。
扉が閉まっているので恐らく中にいるだろうと、祈りを終えるのを待つつもりの様子。
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ワッカの答えを聞いて足も止めずズカズカと扉の前へ行きます。
この目で確かめないと安心できないだろ、と言った態度です。おもむろに扉をこじ開け始めました。
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召喚士が入ったあと自動で下りてきて閉じる扉なんですが、石造りでかなり重いようでティーダ一人では開けられません。なんとキマリがやってきて一緒に扉を持ち上げてくれます。
それでも鈍い音を立ててほんの少し空いただけ。
キマリはティーダにアイコンタクトをし、中へ入るよう促します。
ここに来てティーダとキマリのコンビネーションが見れるんです。ユウナ最優先と腹をくくった2人の覚悟です。
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ぼんやり見えるのは紫色のフードを被った少年。たびたびティーダの前に現れていた不思議な少年ですね。彼はバハムートの祈り子様なんです。
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ティーダがユウナの祈りの邪魔をしないようにかな?アーロンも入ってきました。祈り子様の解説をしてくれます。生きたまま魂だけ取り出されて石像に封じられ、何百年と存在し続けます。アーロンはそれを哀れな死者だと言います。
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イフリートの時にも話したと思うのですが、石像かっこいいですよね。
人間の姿と召喚獣の姿と半々でこの世とあの世の間を繋ぐようなデザイン。この世のものでもあの世のものでもない感じ。死んでるのに死んでないんですよ。肌とか普通に生きている人の色でしょ?
バハムートだけ一点わからないんですよ。
これは明らかに成人男性の体つきじゃないですか。
なのに祈り子様は子どもなんですよ。
本来兄や父が祈り子様になる予定だったのに、シンに殺されてそれが叶わなくなり、素質を持った少年がかたき討ちの気持ちを持って命を捧げたのか・・・。
はたまた素質を見込まれて修行を終えて大人になったら祈り子様になる予定だったのに、病気などで長生きできないとわかり子どものうちに決断せざるをえなかったのか・・・。
本来夢を見るチカラというのは子どもの方が想像力が働くので、倫理観さえ無視すればこれが本来効率的である!というのもあり得る・・・。
うーん、みなさんどう思われます??
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ユウナの身体をそっと抱き上げ外へ向かうティーダ。
広場から「待って!出てきちゃダメー!!」とリュックの声がしましたが時すでに遅し。
待ち伏せしていたキノック達に捕らえられてしまいます。
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ルールーとワッカも裁きは受けるべきですと言っていたので結果としてはよかったのですが・・・。アーロンは公平な裁きを期待したいものだな、と皮肉たっぷりに言ってのけます。
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召喚士というスピラの希望の光でありながら、逆賊のアルベド族と手を組んだこと、飛空艇に乗りベベルを荒らしたことなどの罪を問われます。
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反逆者というのであれば私ではなくシーモア老師です!とジスカルの件を告発します。ケルク老師は驚き真意をシーモアに問いただしますが、シーモアは「ご存じなかったですか?」と涼しげな顔。さらにユウナはシーモアはすでに亡くなっており、死人であることも主張します。
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ここでナイスアシストのルールー!
さまよう死者を異界に送るのは召喚士の大切な務め。
ユウナは召喚士として当然のことをしようとしたまでです。
そう、シーモアとの戦闘は正当防衛であり召喚士として当たり前のことをしようとした結果なんですよ。さすが頼りになる。
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しかしマイカは「死人は異界へ、そう申すか。」と不気味に言い放つと自身の身体から幻光虫を漏らして見せます。ユウナ達は絶句。とても信じられないといった様子です。
亡くなった者は魔物にならないよう異界送りをする、それが教えでした。
その教えも自ら破っている、それが判明したシーンです。
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悲しい世界。
たまらずユウナは父をはじめシンを倒すために戦ってきたみんなの戦いや犠牲を無駄だと言うのですか!?と声を荒げます。
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発展もせず、衰退もせず、継続することがスピラとエボンの真実。
これがこの世界の本質です。発展すれば兵器が生まれて戦争が起こるのが情けないことに人間の性根です。そういう意味では世界の存続という意味では合理的なんですが・・・。納得はできませんよね。できるわけがない。
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ティーダとユウナの力を借りてこの世界を変えたいのです。
可もなく不可もないこんな堂々巡りはもう終わらせましょう。
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やはり反逆者の烙印を押されてしまいました。
みんなバラバラに幽閉されます。
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この牢獄の形状、罪人をこのまま下へ降ろし、溺死させるためのものでは・・・。こわ・・・。程よく隙間があいているのも死体を魔物に食わせるためでは・・・。こわ・・・。
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アーロンは落ち着いた声でスピラの真実をティーダに付きつけます。
物語が終盤に向かうにつれてこういう話がどんどん出て来て、ティーダは変えたい!救いたい!と思うようになるんですよ。プレイヤーもどんどん引き込まれてしまいます。
キノックがやってきてお前たちの処分が決まったと牢獄から出してくれます。アーロンには親友を死刑にするわけがないだろうと調子のいいことを言います。
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ベベルの下層でしょう。エボンの総本山ということもあって牢獄や刑罰のための路があります。ティーダ、ワッカ、リュックは広大な水路に突き落とされてしまいます。
壁際などは返しの構造になっていたり剣山になっています。罪人を流すための場所。本格的に反逆者だなぁとしみじみ思ってしまうのです・・・。
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お気楽と言うか割り切ってるというか。
でも一人じゃないのは心強いですよね!
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シーモアに対しての嫌悪感や老師としての葛藤でしょうか。
このあと老師を辞任します。ジスカルのことを尊敬していたのでしょうね。
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ケルクの態度に対し「所詮はロンゾよ」とバカにした様子。
え。ケルク老師殺されたりしないよね?どうだったかな・・・。
万が一生きて浄罪の路を突破し脱出してきたならば、出口でとどめを刺すようにとマイカから指示が出ました。あの娘はエボンの秩序を乱す、と。
その任私にお任せを、とシーモアがかって出ました。
マイカの「花嫁を手にかけると申すか。」に対しシーモアは「花嫁だからこそです。せめて自分の手で。」と返します。
しかしここはシーモアは本当は殺すのではなく、やはり自分がシンになるためにユウナを利用したいがために動いています。それを察知してか知らずか、キノックが同行すると言います。「父親殺しの男を信用できるか」と言って。
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これ印象的だったなぁ。反逆者だと言われても信じられない人が山ほどいたんだと思います。ユウナの雰囲気や人柄など、噂でも広がっているでしょうから。命令に背けば殺されてしまう、そのためどうしてもユウナを浄罪の路へ放り込む必要があったのですが、申し訳なさそうな気持ちのこもった苦しそうな声が僧兵の葛藤を想像させてくれるんですよね。この後も罪の意識で頭を抱えていることでしょう。
ティーダはあんな感じでしたが、せめてユウナが乱暴に扱われなかったことに安堵を覚えます。
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浄罪の路、何よりここはピアノの旋律が美しいダンジョンなんですよ。こんな殺風景な罪人の通る路に驚くほどアンマッチなピアノの曲。ユウナの心情を表現したかったのでしょうね。もの凄く孤独で悲しい音楽なんです。
ダークな雰囲気のゲームにキレイな旋律を合わせるニーアレプリカントやオートマタなど、最近スクエニがよく使う手法ってここに通ずるものがあるんじゃないかな。
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何か言おうとしたユウナに「なにも言わなくていいわ」とそっと寄り添うお姉さん。今はこれが一番うれしいと思う。
キマリは「ユウナ 離れてすまない」と言います。シンプルなセリフなんですが、これもぐっときますね・・・。
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プリン系は当然ルールーに倒してもらうものの、トカゲ類と目玉類も出てくるんですよ。ティーダもワッカもいないから攻撃が全然当たらないのね。
ちょっと面倒だけど召喚獣呼んで処理するのが手早いんです。
ま、割り切ってユウナのレベルを上げましょうか。
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奥へ進んでいくとイサールが一人立っていました。飛空艇がナギ平原に降り立ちしばらくしてから反逆者を始末しろと命令が入ったらしい。イサールも今回の飛空艇に関しては関係者だし、それを弱みに脅されたのかもしれませんね。
ガードの兄弟は置いてきました。
汚れた仕事はぼく一人だけがやればいいと。
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私、いじわるなので。
あえて格下の召喚獣で勝ちにいくんですよ。
私からしたら裏切者ですからね、彼。
自信を根こそぎ奪ってやる!!!!といった具合です。
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個人的に一番好きな召喚獣ですからね。
こいつで最強と言われるバハムートを倒す快感。
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ふわりと近寄り足の爪で引っ掻く、猛禽っぽい戦い方◎
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そんなイサールに対しても優しく声をかけようとするユウナ。
こうして圧倒的な大召喚士様のイメージや伝説は作られていくんですよ。
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この冷たく言い放つ「もう旅はやめろ」は、今の彼にとってとてつもなく残酷ですよね。