四国旅日記【金比羅山/前編】
神社仏閣は朝早い方が良いので、寝台列車とは相性が良い。
琴平駅から歩いて参道へ向かう。
車窓からも瓦屋根の家が多く見えたが、郷愁を誘う街並みである。
辰っちゃん漬けの看板をひさしぶりに見た。
釜揚げうどんにだし醤油をかけて食べるこんぴらうどんで腹ごしらえをし、
お土産屋が並ぶ参道を登っていく。
本宮までは785段。奥社までは1,368段。
1段目からつらいので数えない。
ラムネを食べて気を逸らしながら歩く。
ご高齢の方が階段の途中で参拝を断念するのを見るたび「今この瞬間が一番若いのだから」と自分を励ます。
時折真っ白な装いの男性とすれ違う。
毎年この日は海上自衛隊による掃海殉職者追悼式があるそうで、多くの自衛隊員もお参りしていた。
太平洋戦争で日本の周辺海域に設置された機雷を、戦後7年に渡って掃海する間に78名もの殉職者が出たそうである。
追悼式典を見ることはできないものの、間近で弔銃の音を聞いて飛び上がった。
本宮だけでなく各所にあらゆるご利益の社殿があり、その幅広さは伊勢神宮を彷彿とさせる。伊勢神宮よりも野生みがあって大変良い。これぞパワースポット。
学業成就のところで息子の高校受験が無事に終わるよう強く祈った。