「ここは今から倫理です。」9巻感想


 このnoteは「ここは今から倫理です。」9巻の感想が含まれます。あらかじめご了承下さい。

 大事なのは「今」か、「過去」か。個人的な9巻のテーマはこれです。オムニバス形式の漫画なので感想を書くのが難しいんですが、この一文にまとめてみました。好きな回は「#45 もったいないって…」、「#46 カワイソウなんすか?俺」、「#48 無償と有償」の3つですね。順に好きポイントを解説していきます。

#45 もったいないって…
 塾に行くことで自分の高校生活を消費している女子高生がキーパーソン。この話で描かれるブッダの思想が心打ったんですよね。

「過去につき従うな」
「未来をこい願うな」
「過ぎ去ったものは捨てられたもの」
「未来はまだやって来ていない」
「ー今」
「今ここにあるものをよく見定めよ」
「今 現在」
「大切はものは今ここにしかないのだ」と…

「ここは今から倫理です」9巻 雨瀬シオリ 

 正直あまり現代的ではない思想かなぁと思います。教育実習に行った時、高校2年生の時点で進路をがっちり見据えてる子が殆どで、部活だけ頑張る!みたいな子なんてあんまりいなかったなぁって事を思い返していました。この思想って決して今だけを大切にしろ!とはまた違うんだと思うんですよね。今を大切にする事でまた今を得られるみたいな、ハンチョウみたいな事を言ってしまったけど、多分そんな感じなのかなと。

 漫画の話から脱線しすぎでは???この回、結局答えは出ないんですよね。「もったいない」の意味。これに答えを出せる時っていうのは大学に入った後や社会人になった後で得られるもので、その状況が成功か失敗かによっても大きく変わると思うんです。いわゆる、未来の結果に対する努力、成功の秘訣、もしくは言い訳、だからこうだった。このもったいないがプラスの意味になるかマイナスの意味になるかはわからないんです。一方で青春のキラキラした日常は、今を生きるための支えになる、かもしれないし足枷になるかもしれない。少なくとも、今を生きるために思い返すには良いものかもしれない。でも、これをしてると成功はしにくいんだろうなぁって。難しいねぇ、人生。

#46 カワイソウなんすか?俺
 
実際カワイソウだと思ってる人は少数で、単なる話題に過ぎないよねって感じ。両親の離婚をきっかけにカワイソウと言われることへの反発の話。この話で好きなのは人の性格の話。

 人の性格は7歳くらいまでの生活で決まると言われています
 7歳までに親の愛情が足りなかったり何か満たされない欲求があった場合に…
 恐らく生涯付き合う“性向”が心に生まれるとされている

「ここは今から倫理です」9巻 雨瀬シオリ

 自分の事で考えるとどうかなぁって読んでました。この漫画、自分のことに置き換えがち。ガチ倫理の教科書だな。自分が生まれた場所は本当の田舎で、コンビニが遊び場で、ちっちゃいスーパーの中にある爺さんがやってる本屋が俺の全てでした。今見ると本当に小さな漫画コーナーが僕の全てで、そこで売ってるデュエル・マスターズが最大の娯楽でした。何もない場所。肌が弱かったから自然と戯れるなんて事もできず、ただ家でテレビを至近距離で見る毎日。子供の頃なんて何も覚えていませんが町外どころか、2キロ先すら行くことも出来ない少年時代でした。だから覚えてるのは2つだけ。どっちも家族旅行。父の実家に盆帰省するついでに海に行ったこと。生涯で一回だけ行ったディズニーランド。多分、姉の記念日か何かで、県外の家族旅行はこれ以降一回も無いはず。そこでプーさんのハロウィンのカボチャをかぶった人形とクッキーの缶を買ったのだけ覚えてる。だから、今でも僕はどこかに行くのが好きで、デュエマが好きで、誰かと一緒にいるのが好きなんだと思う。家族は喋り過ぎてあんまり好きじゃないけど。

 こういう事に俺は一生振り回されていくんだろうなって。これをベースに今まで生きて来て、これからも生きていくんだろなぁ。

#48 無償と有償
 
逆に今を大切にするを現代的に考えるとこうなるよね、って話。キーキャラの行動力はとても好き。でも信者は都合よくカモにされるだけなんだよなぁって。この子は多分、結構良い奴なんですよ。授業もいうて聞いてるし、ちゃんと自分の意見を作って発信してる。そういう真面目な奴だから、3万円という授業料で抜け出せたのかなって思います。先生の回答も綺麗ですね。富を得る、という事を上辺だけ見るのではなく、なぜその思想になったのかを理解した上でのアドバイスだったのが良かったですね。周囲の自分が得ている「富」の大切さを知った彼はどう成長するのかなぁ。

 夢中になれる「富」、今のところあるかと言えば微妙かもしれない。デュエマは好きだが、最近は惰性の部分も大きい、かも。好きなんだけどね。自分の好みと少しずつ離れているかもしれない、とは感じる。俺は古いヲタクだから同じものにずっと固執する癖があって、それが悪い風に作用しているのかもしれない。そこで得られた知識や富は必ずしも不要ではないし、有意義だと思うんだけどね。新しいコンテンツは自分から追わないといけないのかもしれない。まだトラペジウムは擦りたいけど。

 以上、「ここは今から倫理です」9巻の感想でした。本当か?単なる1人語りじゃなかったか?まぁ、いいんです。ここは自分の記憶の写真なんです。この本を読んで思った事を忘れないようにメモっておきましょう。ではでは、また。

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