夢百夜 ~第三夜 恋~
こんな夢を見た。
陽の沈みかけた夕暮れ時、彼女を助手席に乗せて見慣れた道を車で駆ける。
下校する時によく通った道だった。登校する時は最短の道を通るけれど、下校する時はこの、少し迂回する道を通った。友達と野球をする公園があったからだ。
けれど、今はこの懐かしい道が様変わりしている。
5年も前にはこんなに広い道じゃなかったし、こんなに街灯も無ければ、近くに豪奢な住宅街も無かった。
その変貌が私の胸の内を騒がせた。全く知らない道とはまた違う、知った気でいたものが、まるで分かっていな