電気設計シミュレーションについて(SI)3

DDR4の過渡解析について、インピーダンスコントロールを単線50Ω(差動100Ω)でやるのか、単線40Ω(差動80Ω)でやるのかといった話題がある。
移行期は50Ωが多かったが今は40Ωが多いだろうか。
同じ層構成、同じ層でコントロールすると40Ωの方が配線幅が太い。DDR4メモリは0.8mmピッチなので、ピン間を通すには配線幅が太いというのは欠点である。しかも大抵はDDRと別のI/Fが混在し、40Ωと50Ωの両方を実装する必要がある。

では、40Ωと50Ωでは波形はどう変わるだろうか。
例えば出力インピーダンスが34Ωとすると、配線40Ωの場合の波形の振幅は
1.2×40÷(34+40)×2=1.29V となる。
50Ωの場合は
1.2×50÷(34+50)×2=1.43V となる。
インピーダンスマッチングの観点では当然40Ωの方が良い。その差は10.85%である。
ここでインピーダンスマッチングをおこなったとする。並列終端した場合、振幅は0.6VをVrefにして次のように変わる。
40Ω ⇒ 0.65V
50Ω ⇒ 0.71V
こうなると状況が変わる。40Ωで配線した場合、振幅が足りなかったりタイミングマージンが減少する可能性がある。

DDR4はメーカーの推奨では単線40Ω、差動80Ωである。
しかし意味を理解していないと間違った設計をしてしまう可能があるという訳である。

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