電気設計シミュレーションについて(PI)4
ところでPIは難しい点がある。
IRドロップはただの算数なので、シミュレーションとはいえ精度は高い。1mm=1Aを忠実に守っている設計者はIRドロップを検討した方が良い。
……電流密度で品質を確認数方法もあるが、IRドロップが大きい箇所を確認するという点では同じである。
問題はインピーダンスの方で、シミュレーションで考慮しない範囲がある。インピーダンス×電流変化=電圧の揺れになるのでインピーダンスが小さい方がベターではある。しかし周波数に比例して大きくなるというのも事実であり、では電流変化をどうやって抑えるかが要点になる。
以前述べたとおり、電源はACDC→DCDCで作られる。デバイスには出力精度があり、パスコンをいくら使ってもリップルは完全には除去できない。
そしてもし安定電位だったとしても、PLL回路とクロストークする可能性はある。GNDに逃がしたノイズも消えるわけではない。コモンモードとイーブンモードを理解する必要がある。
シミュレーションはツールであり、そこに新規性がなく自分の過去の経験に依るということは今一度述べておきたい。