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何度も何度でも:身体で学ぶことの喜び
トロアが1人で立ち上がるようになった。ずっと這い這いとつかまり立ちだったのが、突然何かがシフトしたのか、何度も何度も地面から1人で立とうとする。そしてバランスが取れて5秒くらい立ってられるようになると、もう興奮して仕方がない。立ち上がるたびに1人で大笑いしている。
そんな娘を見ていると、立ち上がる、ということはそんなに面白いことなのか。と感嘆してしまう。新しいことを体ができるようになる、ということはこんなに嬉しいことなのか。
何度も尻もちをつき、何度も膝をうち、それでも決して泣いたりしない。たらただ嬉しそうに集中して立ち上がり、できたら大笑い。そして笑いすぎてバランスを崩してまた尻もち、の繰り返しだ。
英語でResilienceという言葉がある。いろいろ意味はあるが、教育絡みでは、辛いことがあっても痛みを覚えても、なんとも立ち上がれる精神的な強さのことをさす。最近の若年層はresilienceがない。と言われることが多い。失敗することを恐れ、挑戦を避ける。一度失敗したら二度とトライしない。いつも傷つくことを恐れている。
トロアを見る限り、resilienceは、もともと人間は持って生まれてくるのではないか、と思える。何度でも何度でも立ち上がる、あの強さ。すべての赤ちゃんが持っている迷いなく前進する力。
と言うことは、すべての子供たちが持って生まれたresilienceは、成長過程で何かを機に奪われてしまう事が多々ある、という事だろうか。親が過干渉だったり、子供の時にそれなりにリスクのある遊びをしないで育つと、危険を回避する能力が育たず、そのために、小さなことに怯えるようになる、という研究結果もある。
どうしたら、この根源的な喜びをずっと保っていられるのだろうか。身体が学ぶ、その喜びを。トロアを観察しながら、この先じっくり考えたい。