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5分で読める 高校受験生向け「統治二論」

高校受験社会で出る可能性がある、ジョン・ロックの「統治二論」(1689年)
高校入試のためのポイントを簡単に、わかりやすくまとめた。
一度でわからなくても、二度三度と読めばわかるようになりますよ。

統治二論って何?

名誉革命後、イギリスの政治学者ジョン・ロックによって書かれた。
人々がどのように社会を作り、政府をつくるべきかを示したどえらい哲学書
です。この本で知っておいてほしい考え方は5つ。


1.自然状態(みんな平等な状態)

ロックは、人間はもともと「自然状態」という状態にいると考えました。
この状態だと、誰もが平等で自由に生きています。
一方、ルールがないため争いが起こることもありますね。
隣を歩いている人のクレープが美味そうだったので、殴って奪い取っちゃうとか。

2.自然権(生まれながらの権利)

ロックは、人間が生まれつき持っている権利が3つあるとしました。
 ・生命の権利(命を守る)
 ・自由の権利(自分の行動を決める)
 ・財産の権利(自分の持ち物を守る)
これらを「自然権」と呼びます。
ロックは、この自然権は誰にも奪われてはいけないと考えました。
殴ってクレープを奪い取れば、「生命の権利」と「財産の権利」を侵すことになります。

3.社会契約(みんなでルールを決める)

ロックは、
自然状態では争いが起きやすいので、人々が話し合って「社会契約」を結ぶ必要があると考えました。
「みんなでルールを作って守り、安全に暮らそう」という約束です。
「暴力をふるってはならない」「他人の所有物を奪ってはならない」といった感じで。

4.政府の役割

決めたルールをもとに、人々は政府を作ります。
ロックは、政府の役割を
 ・自然権を守ること
 ・人々の争いを公正に解決すること
と考えました。
もし政府が自然権を侵害したり、人々を不当に支配したりすれば、その政府は「契約違反」。人々は政府を変える権利を持つとロックは言いました。

5.抵抗権(悪い政府を変える権利)

ロックは、「もし政府が人々の自由や権利を守らなければ、その政府を取り除いて、新しい政府を作る権利がある」と主張しました。これを「抵抗権」と言います。


結論

ロックの考えは
「政府は人々のために存在し、自由や権利を守るためにある」
この考え方は、その後の民主主義や憲法の基礎になり、アメリカ独立宣言フランス革命にも影響を与えた。

受験生が覚えておきたいポイントは
「人々の自由と権利を守るために政府がある」
「政府が悪いことをしたら、変えることができる」
というロックの考え方。

モンテスキューの「法の精神」(1748)にも影響を与えたロック。
興味のある人は、受験が終わってから読んでみてもいいね。


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