前進、停滞、後退。そして?
いっぱい文章書くぞ~!なんて少し前に意気込んでいた気がするのだが、気付けばまた年末近くになって慌てて駆け込み乗車するようなことを繰り返している。
なんせ手元の薄くてやたら高性能な四角いあいつが悪い。次から次に流れてくる情報を食い散らかしていたら時間が経つのなんてあっという間だ。
そしてあとに残るのは「うわもうこんな時間だよ…」という後悔である。ああなんと愚かな人間よ。
というわけで来年こそは!もっと有意義な時間の使い方をしたいものである。頼んだぞ来年の自分!
さてそんな最近の自分はというと、今年のはじめにがらりと色々変わったものの、それ以降は特に大きな変化もなく過ごしていた。
新しく診てもらっている主治医の先生も今までのスパルタ主治医とは打って変わって仏のような御方であり、2か月に1回ののほほん通院で至極平和な時間が流れていた。
そして「そろそろ恒例のアレ、行っちゃいますか!」ということで右心カテーテルの日程が決まり、ついでに薬も変えてみようかということで休薬→切り替えも追加で行うこととなった。
合計7日間。転職したての元ニートには気が引ける休み方だったが、まあ仕方がなかったということにしておこう。
ここで一度、自分が行っている治療の状況を書いておこうと思う。
(そういえば詳しい内容を書いたことがない気がするので…)
【服薬中の薬】
・オプスミット
・アドシルカ(タダラフィル)
・ウプトラビ
・ニフェジピン
・利尿剤
・副作用を抑える薬(胃薬、止瀉剤)
こんな感じである。
いわゆる肺高血圧症ゴールデンセットみたいな内容だが、少し違う点があるとすればニフェジピン(カルシウム拮抗薬)だろうか。
これは一酸化窒素(NO)の吸入で肺圧が一定値下がる場合のみ処方されるもので、普通はあまり反応がない(=処方されない)ことが多いそうなのだが、自分は運良く反応があったためこちらも服薬している。
幸運なことに、エポプロ等の点滴治療は今のところ回避できている。
さて話は戻り、10月に予定通り検査入院を行ってきた。
日程としては初日に検査、2日目にカテーテル、3日目からアドシルカを休薬し新しく「アデムパス」という薬に切り替えていくという流れだ。
ちなみに入院前日の自分はこんな感じ。今考えるとなんとも呑気なものである。
なんだかんだ病気になってから3年弱、すでに何度もカテーテルを経験しているので緊張はほとんどゼロに近かった。
どれくらいかと言うと、首からカテーテルが刺さった状態でうたた寝をしていた。検査中に何度か息を吸って止めるという指示が入るのだが、その指示で微睡みから引き戻されるというような有様だ。
そんな風に呑気に船を漕いでいたら、検査をしていた担当医から声がかかった。
「んー、あのねえ、肺圧、上がっちゃってる」
ん? お? なんて?
ふわふわとした夢の世界から一気に引き戻された。
まさに寝耳に水、ならぬ寝耳に肺圧である。
肺高血圧症の指標として使用されるのが平均肺動脈圧(肺圧)であり、これが20以上であると病気と認定される。
自分は病気判明時の数値が60、その後治療を重ねて去年時点では35まで落ち着いていた。
その後症状的にも悪化したような自覚は無かったし、職を変えて前より無茶な動き方をすることも減ったので、良くなるのは難しくても最低限現状維持はできていると思っていた。
それがなんと、10上がって45になっていた。
えええ、まじか。ええ。
混乱するままカテ室から運び出され、茫然としながら書き散らしたメモがあったので、お見苦しいがこのまま載せてみる。
病気になってから何度も、何度も「思い通りにならない」ことのもどかしさを感じてきた。
そしてそのたびに「こうなってしまったのだから仕方ない」と無理やり蓋をしてやり過ごしてきた。
だから慣れているつもりだった。予想外の事態というやつにも。
でも一度進んだものがまた元に戻ってしまうというのはそれなりにショックも大きかった。
私の何が悪いというのですか。サムライマックとか食べてるからですか。
うん、ちょっとありそう。
という感じで、順調に前進していた私の闘病生活はここにきてまさかのブレーキからの大バックという形になってしまった。
だが万策尽きたというわけではない。ちょうど薬も切り替えたところだし、ウプトラビやニフェジピンもまだ増量の余地がある。
最終手段の静注もまだ残っている。…できればやりたくないが。
難病が難病たる所以を改めて突き付けられ、ついでに
「減塩ちゃんと意識してくださいね」という栄養士さんからの駄目出しも突き付けられ、予想外の展開で検査入院は終わった。
相変わらず何かが変わったわけではなく、前より少しだけ成分表示表をじっくり見るようになったくらいの変化しか無いが、なんだかんだで生きている。
次の検査では少しくらいアクセル踏めているといいなあ、なんて願いつつ。
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