冬籠もり
「体調を崩しやすい時期にさしかかる」ってしいたけ占いでも予報されてたけどさ。まんまと具合わるくしました。
とにかく寒いままにしとくのはダメということがこの齢になってようやく解った。眠れないときは貧血かもしれないし、食欲がないときはたぶん水分が足りてない。経験則からだいたい対処法はわかる。わかるけどもそれはそれとして具合わるい間はつらい。
喉が痛い日が2〜3日続いて、銀翹散を買いにいった。その帰りに駅前の八百屋でかりんを見かけて、シロップを作ることにした。かりんは喉に効くから。でも1ヶ月くらい砂糖漬けにしないといけないらしい。まどろっこしいがしょうがない。インドの諺では「豆は豆の時間でしか煮えない」と言うらしい。含蓄に富んでる大好きな諺だ。いくら科学技術が進歩しても時間が経たないとどうしようもないことはわりと多い。そう考えたら具合わるくて寝てるしかないときも、いくらかポジティブに諦めがつく。
とはいえ、かりんは一日経ったらもう液が染み出してきたので、結局毎日ちょっとずつ味見している。蓋を開けるたび、りんごの蜜のような爽やかで甘い香りがする。
吉本ばななさんの小説で、王国シリーズだったかな?薬草で人を治すおばあちゃんが出てくる話があって、そういうのっていいなぁと思ってた。文庫持ってたのに、実家に置いてきちゃったんだよな。次に帰れたときに持ってこよう。
今度のお正月は帰らないことにした。人が動く分だけあらゆる人々のリスクが上がるのなら、私は帰らなくても別に大丈夫だからそうしようと思って。そのぶん帰りたい人が帰っても無事でいられるように。
年末年始にひとりで楽しく篭るための支度をいそいそと進めている。お屠蘇を作ろうと思って、味醂を買ってきた。「屠蘇散」という薬草セットを味醂につけておいて作る薬草酒なんだけど、その肝心の屠蘇散はもうちょい年の瀬になると確かオオゼキが売ると思う。そもそも正月の支度をするにはだいぶ気が早い。
屠蘇散の処方を調べてみると、桂皮と和山椒はカルディで買えるので、あとは勝手にアレンジしてカルダモンとクローブでスパイスリキュールを作ってみた。ちゃんとした飲める味醂はそれだけでも美味しいお酒だけれど、スパイスが甘みとしっくり合う。これも毎晩おちょこでちびちび飲んでいる。
ひと冬では編みきれないくらいの毛糸も用意したし、静かにすこやかに年を越せそう。
といってもまだあと2ヶ月あるけど、今年…。