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売れない女優時代 1.

侍女怪人だった時期を経て、当時の事務所で初めて舞台公演を体験した。
映像と違って舞台は発声からして表現方法が全然違う。シェイクスピアの戯曲でちっぽけな役だったけど、観客の前に立って演じると言う新しい体験をさせてもらった。そして10代で仲間とひとつのものを作り上げるという経験の第一歩がこの舞台だったと思う。

それから数年後、演劇から離れアパレルで販売職をしていた。
でもいつもどこか頭の片隅に演劇への思いが残っていた。
それが演技論とか熱い情熱とかならカッコいい話ですが、何故だか最後のカーテンコールの感動がずっと忘れられずにいた。
もう20代も半ばな自分、、
でももう一度あの感動を経験したい!!
そう思い立ち小さな劇団に入った。何のご縁だか前述で話した、初めての舞台で演出を担当した先生とこの劇団で偶然再会した。
世間は狭いのか本当にご縁なのか、、ドびっくりしたのを覚えている。

その小劇団は小さな稽古場を持っていて、定期的に稽古場公演があった。
毎回稽古では本当にたくさん人前で怒鳴られたし〝才能ないからお前なんてやめろ!〟って頭を叩かれたり当時ざらでした。(時代ですねw) 
恥をかくことを恐れていては演技なんて学べない、とにかく必死でした。

でもそんないつも怒鳴っていた先生が、たくさんの劇場公演を観に連れて行ってくれた。「これがプロの芝居だぞ!お前もいつかこんな舞台に立て!!」と。
私も目を輝かせて舞台を観ていた。
とても熱い時代でしたね。
そしてその演目の中に「ピーターパン」もあった。

今回、現在公演中の舞台「ウェンディ&ピーターパン」に友達夫婦のお兄さまが出演するということで、本当に久しぶりに渋谷Bunkamuraオーチャードホールへ演劇を観に行った。
当時は1Fのシアターコクーンで公演されていた蜷川作品や野田作品を観て衝撃を受けまくっていた!
同じ演目を3回とか観て、席によって見え方の違いや音楽や衣装など幾度も。
夢中で学び楽しんだ時代だったな、、って当時を思い出しました。

そしてこのコロナ禍という大変な時代に、私が体感したカーテンコールの場面で勝手に感動が重なり感無量、感涙。。 
本当に素晴らしかった。
やっぱりどんな時代でも、表現すること、芸術、アーティストパワーは貴重です。
皆に元気を与え自分も勇気を貰える。
表現することの大切さ。有難さ。
改めてたくさんの感動を受けとりました。

県またぎで行きたくても行けない期間が続きます。ご家族、ご友人、ファンの方々。色んな気持ちを持って終演まで見守りたい。

ウェンディ&ピーターパン
渋谷Bunkamuraオーチャドホールにて 9/5まで!

https://www.bunkamura.co.jp/orchard/lineup/21_WPP/
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