なつかし劇場/新幹線小爆破
小学校の帰り道。
駄菓子屋に入るのは禁止されておりました。
しかしながら、エリート馬鹿小学生のこうちゃん、へーちゃん、小生はこういう案件にたいしては知力が働くのでございます。
駄菓子屋に入るのが駄目なら外においてあるゲームだぜ。
チャレンジするのは『新幹線ゲーム』
投入した十円玉自体をレバーでパチンコの様にはじき、アウトの穴に落ちないように、上の段から、6段あるレーンを攻略。
6段目のゴールに入れば20円券が出てくるのです。
まずは小生。
三段目までは前座レベル、弱く弾けばOK。
チョイ、チョイと弱くはじいて攻略しておりますと、
「だいぶ熱心だねぇ」
なにやら背後に、おいさんのギャラリーがついたようです。
かまわずプレイを続行する小生。
4段目をクリア。
「よっしゃ」
こうちゃん、へーちゃんも盤面に集中しています。
5段目をクリア。
「いいぞ、いいぞ」
盛り上がる三馬鹿。
最終段の6段目、勝負の時です。
ゲーム台の前にしゃがんで、ゴールをにらみ精神を統一。
親指に全神経を集中する小生。
すると背後のおいさん、
「すごい集中力だねぇ」
なんだかウザいおいさんだな、と思いつつ、ゴールしたイメージを思い描き、
バチーン!
飛び出す十円玉、手前のアウト穴を飛び越え、ゴールに、、
ガチャーン!
入ると思いきや、プラスチックのゴールポストに嫌われ、奥のアウト穴へ。
「あーおっしいなぁ!」
ガッカリの三馬鹿。
「でも、頑張ったじゃないか」
くだんのおいさんです。
3人が盤面から顔をあげ振り返ると、
なんと、そこに立っていたのは校長先生です。
とっさに左手で名札を隠すこうちゃん。
「僕やってないです」
とっさに仲間を売る、へーちゃん。
ビビリまくる、主犯格の小生。
すると校長先生、
「今みたいに熱心に勉強してくれると、校長先生は嬉しいんだけどねぇ。車に気をつけて帰りなさい。じゃ、さようなら」
三馬鹿はか細い声で、さようなら、とつぶやき、駄菓子屋の前に立ち尽くすのでございました。
最後までお付き合いいただき
ありがとうございました。(*´∀`*)