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元CS:GO村民の自分がVALORANTに感じてしまう不満
・はじめに
初めまして、Torimochiと申します。私はFPS、その中でも所謂、爆破系ルール(CS系、CSライク)のFPSが大好きな人間です。その代表格的タイトルであるCS:GO(Counter-Strike:Global Offencive)を結構やっていたんですが、現在はそこから移住して主にVALORANTをプレイしています。
そして元CS:GOプレイヤーの性?として、VALORANTをプレイしていると、どうしてもVALORANTをCS:GOと比較せずにはいられない瞬間が多々あります。
その時に頭に浮かぶ、「ああ、ああいうシステムはCS:GOの方が良かったなぁ」という考えを何処かに愚痴りたくなり、今回noteという場を借りてその鬱憤を晴らさせて頂く事にしました。
読者のターゲットとしては、同じCS:GO出身の人かVALORANTをやったことある人です。どちらのタイトルも触れたことがないという人は多分読んでても意味が分からないしピンと来ないと思いますので興味が無ければブラウザバック推奨です。
またタイトル通り、筆者の主観が入った非常にネチネチした記事になりますので、VALORANTが大好きな人や、FPS老害の下らない愚痴が嫌いな人もブラウザバック推奨です。
そして前置きというか予防線ですが、当然日本のCS:GO経験者全員が私と同じ意見を持っているわけではないですし、CS:GOプレイヤーを代表するつもりも全く在りません、あくまで私個人の主観からくる愚痴を連ねただけなので悪しからず……。
・筆者のFPS歴
「そもそもお前はどういう立場からGOとヴァロを語ってるんだよ」というツッコミが入りそうなので目安として以下に軽く記述しておくことにします。
CS:GO→プレイ時間2000h, ランクは最高Global Elite
VALORANT→プレイ時間500h, ランクは最高Immortal2(ランクマッチシステムアプデ前の話)
どちらも本格的な活動はあまりしたことがなく、フレンドと軽くチームを組んで遊んでいた程度なのでガチガチの競技プレイヤーという訳ではなく、あくまでもちょっとやり込んだ程度の浅い1プレイヤー視点からの意見だということを頭に入れておいて貰えると幸いです。
・この記事を書こうと思った理由
VALORANT、日本でも大変人気ですよね。リリース前の段階であのRiot Gamesが作るFPSという事で非常に注目度が高く、今まで爆破系FPSに触れたことのない人達も話題性に乗っかって大勢プレイを始めた印象です。
その後、一旦リリース直後の熱は界隈から引いたようでしたが、また最近になって某有名ストリーマーの方々がこのゲームをプレイし始めたことにより、またVALORANTブームが再燃してるといった印象を受けます。
しかしその影で、元々人口の少なかった日本のCS:GOプレイヤーはユーザーを求めほぼ全員がVALORANTへと移住してしまい、今や日本人で固定チームを組みCS:GOをプレイするということはほぼ不可能になってしまいました。
勿論私のフレンド達も全員VALORANTに移住して、もはや爆破系FPSを日本でやるなら現在はVALORANTしか選択肢がありません。
これが全世界で同じような流れだったなら諦めも付くのですが、EU圏を代表とする海外では依然としてCS:GOは大人気FPSタイトルの一つで、上記の話は日本のようなCS系FPSが流行らなかった国特有の現象です。
要は、VALORANTへの移住を半ば強制されたCS:GOプレイヤーとして、「どうしてもCS:GOと比較してしまい愚痴の1つや2つ浮かんできてしまうが、純粋にゲームを楽しんでいるフレンドに愚痴る訳にもいかんからここで書き殴らさせてくれー!」ってことです。
勿論どちらのタイトルも大変素晴らしい完成度で、FPS史上に残る傑作であることについては私も全く異論は無いのですが、VALORANT市へ併合され廃村となった元CS:GO村民のノスタルジアとして生暖かい目で読んでいただければ幸いです。
という訳で代表的な不満を3つくらい、以下に挙げていこうと思います。
・不満点その1、ロール(役割)に柔軟性が無い
CS:GOやVALORANTのような爆破系FPSには、最初に突撃して勝負する人をフラッガー、それを後ろからカバーする人をサポーター、一人で遊撃的に裏取り等を行うラーカー、そしてチーム全体に指示を出す人をIGL(インゲームリーダー)、というようにプレイヤーごとにロールを与え、チームの役割を分担する文化があります。(他にも色々あります)
これはゲームのシステムで決められたものではなく、そういう動きをする人をあくまで便宜上チームでそう呼称しているだけなので、チームによってはIGLがおらず個々が意見を出して動くチームだったり、ラーカー担当の人間もラウンドによっては他のチームメンバーと一緒に固まり突撃(ラッシュ)をしたりと柔軟性があります。
例えばCS:GOでの話で言うと、試合中にフラッガー役が調子が悪いと感じればサポート役の人間と役割を変えて交代したり、逆に今日はノッてるなという人間に先頭を任せたりすることが可能です。
私は個人的にはこの柔軟性はゲーム体験にかなり重要だと考えており、こういう互いが互いを補完しあえる自由度はまさにチームゲームならではの素晴らしい体験だと感じていました。
しかしその柔軟性がVALORANTはCS:GOと比較すると少ないと思います。
理由は単純明白で、CS:GOにはなくてVALORANTに存在するエージェント制(キャラクター制)によるものです。
こういったキャラクターによってスキルが違うというのはOverwatchやApex Legends等に代表される最近のFPSの中では比較的メジャーなシステムですが、5vs5のCSライクな爆破ゲーに於いて本格的に導入したメジャーなタイトルはVALORANTくらい?の筈です。(R6Sは独自的すぎてCSライク?とは言い難いと思うので今回は割愛させてください)
VALORANTのこのゲームデザインは、上述したような比較的新しいキャラ制のゲームからFPSを始めたユーザーを、古典的な爆破系FPSに引き込むという点で非常に合理的かつ面白い試みだと思います。
そしてVALORANTのエージェントは、先に挙げたような爆破系特有のロール文化をそのままキャラクター毎の性能として設定しておくといった感じでデザインされています。
具体的に言うと、フラッガー向けとして設計されたエージェントは先陣を切って自分がキルするためのフラッシュバン等のスキル、サポート向けとして設計されたエージェントはスモーク等のスキルを所持しているといった感じです。
それは言い換えれば、あるロールに適したキャラをピックしたら最後、自分はその試合中は何があってもそのロールを完遂する必要に迫られるということです。
つまり、貴方がその日AIMの調子がすこぶる悪いと感じていても、前に出る役割のキャラを選んでいるなら最後までフラッガーで在り続ける必要があり、反対にスモーク等を使うサポート役はスモークを使わずに死ぬのはNGなので、仮に1人で前に飛び出したらキルが取れそうな場面でも、スモークを炊き終えるまではリスクを取らずに後ろにいるのが基本になります。
勿論、サポート向けのキャラに先頭を行って貰う位は別にVALORANTでも出来ますが、それはそのキャラクターの強みを殺しているに等しく、あくまでも搦手に過ぎません。
一方CS:GOでは、チーム全員が同じスキル(投げ物)を所持している為、先程述べたように理論上は誰でも即行でどんなロールでもこなすことが可能です。
逆に「いや、完璧な役割分担と遂行こそがチームプレイだろ」という意見も在ることは理解できますが、CS:GO村民としてはあの柔軟性が恋しいなぁと思ってしまう訳です……。
まあしかしこの問題は、Overwatchのように試合中にエージェントを変更できるようにすれば解決するので次に挙げる点よりはそこまで根深い問題ではないのかもしれません。(そもそもそれ問題なのか?という議論はひとまず置いとくとして……)
・不満点その2、そもそもスキルが強すぎる
突然ですが皆さんは爆破系FPSの面白さの重要な点は何処にあると考えていますか?
私はやっぱり爆破系FPSの楽しさは銃撃戦による「撃ち合い」に集約されると思います。
私はあらゆるスキルや立ち回り等の技術はあくまで撃ち合いを補助するものであるべきであると考えております。何故なら、それ等の技術でどれだけ相手を上回っていても相手や自分のAIM次第で負けてしまう緊張感、極論相手の裏をとっていたとしても自分の初弾が外れてしまえば背後の銃声で気付いた相手に逆にやられる可能性すらある、そういった要素こそが爆破ルール特有の面白さを支えていると感じるからです。
嬉しい事にRiotの開発陣も同じような事を考えていたらしく、リリース前に開発陣は「このゲームはアビリティでキルを取ることはない、重要なのは銃撃戦だ(意訳)」といった旨の事を述べVALORANTを紹介していました。
To be clear, in Project A, shooting matters. You don’t kill with abilities. Abilities create tactical opportunities to take the right shot. Characters have abilities that augment their gunplay, instead of fighting directly with their abilities.
— nicolo (@niiicolo) October 16, 2019
しかし現在のVALORANTは実際のところどうなっているでしょうか?
ジェットやレイズといった一部のエージェントのアルティメットスキルは間違いなくキルを直接取れるスキルです。
まあ、上記のものは制約の多いアルティメットスキルである為、まだ理解は及びます。
しかし最近実装されたアストラや、大幅な上方修正が入ったヴァイパーといったエージェントは、通常のスキルですら一定の条件が揃えば簡単に確定キルを作ることが出来るような強さに設定されてしまっています。
その一定の条件も、それを作るのには特に連携等も必要が無い場合も多く、一番簡単な例ではスパイク(爆弾)設置後にそこにスキルを仕込んで発動するだけで、スパイクを解除しに来た相手を読み合いも撃ち合いも無しにほぼスキルだけで完全に確殺出来てしまいます。
一応CS:GOにもこれと似た様な戦術として、設置した爆弾の地点にモロトフ(火炎瓶)を投げて相手の爆弾解除を阻止するという技術もありますが、そのモロトフに対しては爆弾解除側はスモークでモロトフを消化するというカウンターの戦術を持っていた為、そこで読み合いは成立していました。
しかしVALORANTでは上記のスキルに対して解除側がやれることは何も有りません、こういうあまりにもスキルが強すぎるゲーム性はCS:GOに慣れ親しんだ私には非常に理不尽に感じます。
同じ様な考えを持っている人間はプロのプレイヤーにも居るようで、複数のプロが「VALORANTは銃撃戦を疎かにし、RPGのPVPに近づいて行ってる」といった懸念を表したという記事もあります。
勿論スキルの応酬もゲームとしての形で在ることは否定しませんし、それの典型であるOverwatchはFPS版MOBAと呼ばれそれはそれで完成度の高いゲームであることも事実です。
しかしCSライクな爆破系にコンセプトをガッツリ寄せCS系プレイヤーをターゲットにした上、当初は開発陣が「撃ち合いを重視する」とまで確かに言っていたVALORANTが、撃ち合いよりスキルを重視したバランス調整に走るのだとしたら正直私としては失望を隠せません。
・不満点その3、ゲーム内リプレイ機能が無い
はい、ぶっちゃけ私はこの点がこのゲームに対して最も本気でガッカリしている点であり、この機能が未実装のせいで開発への信用すら薄れていると言っても過言では有りません。
何故なら私はVALORANTのように競技性を全面に打ち出した爆破系FPSなら真っ先に実装すべき機能だとまで思うからです。実際に大勢のプレイヤーがリリース初期から今までずっと開発にゲーム内リプレイ機能実装の要望を送っています。
まず、個人又はチームとしてゲームの理解度を深め実力を上げる為にリプレイを見て自分達のプレイを見直すというやり方は不可欠な上に、もっとも手っ取り早い手法です。
またリプレイは本気で上達したいと思っている中級者~上級者だけでなく、分からん殺しをされて頭にハテナが浮かんでいる初心者が謎を解決して一歩進む為にも非常に重要な機能であり、特にハードルが高いとされているVALORANTの様なゲームでは初心者救済の観点からも真っ先に実装すべきです。
ちなみにCS:GOでは自分の試合のリプレイは勿論、プロの大会の試合ですらリプレイファイルとして配布されており、ゲーム内リプレイ機能を用いていろんな選手の視点を見ることが可能です。
大会の生放送は基本的に華やかなフラグシーンばかり写すので、それに目が行きがちですが、リプレイで俯瞰して見ることによって、「ああ、あの裏では他の選手がこう動いてたからあのフラグシーンに繋がったんだな」、というような色々な"気付き"が得られるわけです。
一応、最近はキャプチャソフト等により自分のプレイを録画することは簡単にできますが、あくまでもそれで録画出来るのは自分視点のみであり、やはり俯瞰視点や味方視点、相手視点で見れるゲーム内リプレイは上達に絶対に必要不可欠です。
そして私が何よりも残念に思うのは、リリース初期からRiotに対してリプレイ機能実装への強い要望が多数のユーザーから寄せられているにも関わらず、リリースから約1年近く経った現在(21/05/07)、未だにRiot社内で実装は議論段階だと述べている点です。
VALORANTのリプレイシステムについては社内の複数チームが関心を持っており、話し合いが行われています。現時点で共有できる最新情報はありませんが、初期段階とはいえ本格的に議論が進められていますので、近いうちに最新情報をお伝えできると思います。 —Brandon Wang(ソフトウェアエンジニア)
正直私としてはリプレイ機能の重要さに議論の余地など無いと思いますし、これは開発陣が競技性の高いゲームにおけるリプレイ機能の存在を過小評価していることへの表れであり、ひいては自分達が開発しているゲームへの彼等自身の理解度への懐疑に繋がるとさえ思います。
私が今まで挙げた不満点1,2の問題はゲームデザインや方向性が絡む話なので議論の余地は大いにあると思いますが、この点に関してだけは大方大多数の賛同が得られると自負していますので一刻も早くリプレイ機能を実装してほしいです。
・最後に
まあここまで散々愚痴ってきましたがVALORANT、何だかんだで面白いです。やっぱりストッピングやリコイルコントロール必須な硬派な爆破FPSはこれとCS:GOくらいですし、CS:GOと違って野良でやっててもチーターを全く見ないのは素晴らしいの一言です。
今まで書き連ねた私の下らない愚痴も、実のところ期待の裏返しなのかも知れません。そもそも一昔前に流行ったサドンアタック等のCS系クローン無料FPSに比べたら遥かに出来がいいですしね……。
そして最後まで私の駄文を読んで下さった方、もしいらっしゃるなら本当にありがとうございます。良ければ色んな意見をお待ちしています。