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ユーラシア大陸横断日記3 日月山と青海湖

ユーラシア大陸を西へ西へ、中国の上海からポルトガルのロカ岬まで。
陸路・海路でユーラシア大陸を横断した、ユーラシア大陸横断(2008)の記録です。

上海から鉄道で32時間、西寧に到着しました!チベットへ向かうべく、ここで旅の支度を整えます。

前回はこちらです ↓

チベットに行きたい!

西寧でもユースホステルにお世話になった。
このユースホステルを拠点にして、そこから歩いて20分ほどにある現地の旅行会社に行き、チベットのことを相談させてもらった。

社長と社員の女性が2人の小さな会社。
社長は王(ワン)さんといって、日本語が堪能なおおらかな人だった。

入域許可証のこと、ラサのほかにギャンツェやシガツェにも行きたいことなどを話し、最近のチベット情勢についても尋ねてみる。
当時は2008年、北京五輪が開催される年でもあり、またここ最近のチベットでの暴動も気になっていたのだけれど、やはり取り締まりや検閲が大変厳しくなっているとのこと。

日本を出発する前には、チベットに入ればあとはわりと自由でガイドもつけず旅行者が集まり、ランドクルーザーをチャーターして各地をめぐるのが定番、というような話を聞いていたものの、それは難しいなと思った。

きちんと正攻法でいくことにして、ワンさんに手配をお願いした。
出発の日も決まり、入域許可証の発行までしばらく時間ができたので、その間に日月山、そして青海湖に行くことに。

日月山と青海湖

こちら「日月山&青海湖巡り」はいわゆるパッケージツアー。

バスではほかの観光客さんたちと一緒になるも、自分以外はすべて中国国内の人たちで、車内で唯一の外国人だった。
バスで隣の席になったのは、孫という10歳くらいの男の子。
お互いにある程度漢字でコミュニケーションが取れるので、手帳に漢字で書きながら出身地や干支などの話をして楽しませてもらった。

そうこうしているうちにバスは日月山に到着。

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それまであまり知らなかったのだけど、日月山は唐の文成公主が吐蕃(チベット)国へ嫁ぐときに、ここで振り返って唐との別れをしのんで涙を流した場所、らしい。
文成公主をまつった祠が建てられていて、あたりにはタルチョがはためく。
見たことのない独特の景色で、異世界のような、なんとも不思議な祈りの場所だった。

日月山は観光地としてもメジャーなところらしく、たくさんの人が訪れていた。観光客を相手に、「子羊抱っこ」とか「ヤクと記念撮影」(だと思う)みたいなこともやっていてにぎわっていた。

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日月山を後にして続いて青海湖に向かう。
青海湖という湖は本当に青かった、とでもいいたかったけど、曇り空でそれはかなわなず…
世界2番目の内陸塩湖らしく、菜の花畑がとてもきれい。

ガイドさんとドライバーさんが「撮って!撮って!」とものすごくせがむので、写真を1枚撮らせていただいた。

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チベットへ!

それから数日後、許可証ができたとの連絡が。
出発の日に許可証を受け取り、そのまま列車に乗ることにした。

当日、久しぶりにワンさんの旅行会社を訪ねると、一緒にお昼を食べようと誘ってくれた。
現地の人と一緒に現地のものをいただけるのはかなり嬉しい。

旅行者ではなく現地の人が行くお店で、旅行者ではなく現地の人が食べるものを一緒にいただける、喜んでご一緒させていただいた。

ワンさんと2人の女性社員、そして自分の4人で中華のテーブルを囲んだ。

「どんどん食べてくださいね!」と出された数々の料理はチンジャオロース、豚足、きのこの炒め物、などなどいずれも非常においしかった。
また、ビールに焼酎に、飲んでは注いで乾杯をひたすら繰り返す。

ただ、ここでひとつの文化的な行き違いが…
ワンさんたちは僕が料理を平らげると、新しい料理を注文してくれ、それをまた平らげるとどんどん次の料理を注文してくれた。

すぐあとで知ることになるのだが、中国では「満足しましたよ」という意味でごはんを少し残すのがマナーなのだ。

それを知らなかったため、出されたものは残さず食べるものだと思っていた自分は、出てきたものを次から次へとすべて食べていた。

しばらくしてお互いに「あれちょっとおかしいかも?」というかんじになり、2人でなんとなく察して社員の皆さんも一緒に笑い合った。

そして、ワンさんから「チベットしっかり楽しんできてくださいね!よく見てきてくださいね!」と激励してもらい、送り出してもらった。

バックパックを背負い、西寧駅へと歩いていく。
途中、橋のたもとに車を停めたタクシードライバーが声をかけてくる。

「青海湖に行くのかい(チンハイフー)?」

「No, Lhasa!」

そんなやり取りとしていると、いよいよチベットに向かうのだと否応にも気持ちは高まる。

駅で手荷物と入域許可証のチェックを受けて、ホームに向かう。
しばらくすると緑色の大きな列車が入線してくる。
これでチベットへ向かうのだとわくわくしっぱなし。

列車に乗り込み、自分の寝台席にザックをおろす。
ここから23時間、1956kmの道のりを進みいざ念願のチベットへ

こちらに続きます ↓


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