ユーラシア大陸横断日記29 ギリシャへ
ユーラシア大陸を西へ西へ、中国の上海からポルトガルのロカ岬まで。
陸路・海路でユーラシア大陸を横断した、ユーラシア大陸横断(2008)の記録です。
イスタンブールで1週間ほど過ごし、イタリアローマで大学の後輩と落ち合うべく、再び西へと進むことに。
イスタンブールから国境を越え、ギリシャに入国します!
前回はこちらです↓
トルコ-ギリシャ国境へ
大好きなイスタンブールを離れる。ザックを背負い、ユースホステルをチェックアウトして、アヤソフィアやブルーモスクにも別れを告げてトラムヴァイ(トラム)の駅へと歩く。
↑ アヤソフィアともお別れ…寂しい
オトガル(バスターミナル)に到着し、チケットを買っておいたMetro Turizm社のバスに乗車。バス文化が発達していてかなり快適な車内空間。
そのまま乗っていればイスタンブールから自動的に国境を越えてギリシャに入り、テサロニキ、アテネへと進んでいく国際バス。
だけど国境を歩いて越えてみたかったので、ギリシャとの国境に一番近いバスターミナルを教えてもらい、そこで下車した。
↑ バスの車内から。曇り空でしたが、のどかな田園風景が広がっていました。
さてさてそれでは国境へ向かおうかとローカルのバス停に向かい、地元の人に「Border?」と聞いて教えてもらったバスに乗った。
国境があるのはたいてい寂れた田舎の街はずれ。
ところが、バスはどんどん市街地に進んでいく。
おかしいなと思いながらも乗っているとどうやら「City center」の方に向かっているらしい。えええ困った…
と、ものすごく困った顔をしたようで、そんな自分を気にかけてくれた大学生カップルらしき2人が、最初のターミナルに戻るバスを教えてくれた。
というわけで、「歩いて国境を渡るのだ!」と意気込んでいたのに、1時間かけて結局もとの場所に戻ってきただけとなってしまった。
なんとも残念な結果…
もう一度行き方をちゃんと聞いて、、とも思ったけど、ぷっつりと糸が切れてしまったのかなんかもういいかとやる気を失ってしまい、このままここから国際バスに乗ってギリシャに行こうと、早々に徒歩での国境越えを諦めてしまう。もうちょっと粘ってもよかった自分。
ターミナルのバス会社に尋ねると、ギリシャへ向かう次のバスは夜までないらしい。
ギリシャのテサロニキまでの切符を買い、チケットカウンターにザックを置かせてもらって、しばらくぶらり街歩きをして時間を過ごすことにした。
ターミナルから少し歩いたところに大きなショッピングセンターを見つけ、そこのフードコートで夜ごはんをいただくことにした。
どうせならトルコローカルの料理をいただきたかったので「トルコのお料理はありますか?」と店員さんに聞いてみたら、マネージャーのような方が出てきて格安で提供してくれた。
マネージャーさんはそのまま自分のテーブルの前に座り、「どこから来たの?」と旅の話が始まった。
今となっては名前を忘れてしまったお料理だけれど、これまでの話、これからの話で盛り上がりながらおいしいごはんをいただいたあの時間は今でもよく思い出す。
ギリシャ入国 テサロニキ
バスを待つ時間はあっという間に過ぎて、出発時間になった。
ターミナルにやってきた国際バスは定刻通り、ギリシャテサロニキに向かって発車。
夜のトルコを何時間走ったのか定かではないけれど、快調に走り続けていたバスは、深夜大きな検問所のようなところで停車。乗客全員降りるよう促された。
ここが国境らしい。
係の人たちがバスをチェックする間自分たちは道路脇で過ごすように言われ、それぞれ思い思いに夜風に吹かれる。
乗客はみんな自分と同じバックパッカーばかり。
バスのチェックでも乗客のチェックでも特に何かあるようなこともなく、何十分かしてバスに戻るとゆっくりと動き出した。
バスはトルコとギリシャの緩衝地帯を進み、ギリシャ側でも同じようにチェックを受ける。
チェックが終わると、その先はもうギリシャ。国境を越えて今度はギリシャの道を走りだす。
そのままバスで一夜を過ごし、テサロニキには早朝到着。
ターミナルというか乗客を降ろすだけの駐車場といった質素なかんじで、自分と数人の乗客を降ろすとバスはまた走り出していった。
さて、降りたのはいいけれど、ここから先はまったく決まっておらず。
古代ギリシャの「世界のへそ」 デルフィへ
テサロニキにしばらく滞在するか、それともここからさらに別の場所に足をのばすか…
とりあえず何かないかとあたりを歩いてみたけれど、大都会テサロニキはヒッピーな自分になんだか合っていないようなかんじがして、先に進んでいくことにした。
近くにいたお巡りさんに、長距離バスターミナルの場所を聞く。
やはり、最初に降りた場所では乗車することはできないようだ。チケットカウンターもないし。
教えてもらったバスターミナルは路面電車が通っていたのでアクセスも容易だった。
路面電車の乗り場もすぐ近くにあったので、そのままバスターミナルへと向かう。
ターミナルにはそれほど大きくない平屋の建物があり、各地へのチケットを取り扱っていた。
窓口の上には、Athens、Meteora、Delphi、…と各地の地名が書かれたプレートが並ぶ。その中で、「Delphi」が気になった。
そういえば、高校の世界史の授業で出てきた記憶がある。
古代ギリシャで世界のへそと考えられていたデルフィ。
非常に神聖で重要な場所。
世界のへそってどんな場所なんだろう…こうなると気になってしょうがない。ということで、一路デルフィへ。
ギリシャ料理のドルマーデス(ひき肉をブドウの葉で包んだもの)。デルフィ行きのバスが途中休憩で立ち寄った食堂で見かけたものです。並んでいるお料理もギリシャ料理となり、国境を越えたことを実感しました!
こちらに続きます ↓