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ユーラシア大陸横断日記33 サレルノとアマルフィ
ユーラシア大陸を西へ西へ、中国の上海からポルトガルのロカ岬まで。
陸路・海路でユーラシア大陸を横断した、ユーラシア大陸横断(2008)の記録です。
ギリシャの港町パトラから、イタリアのかかとの部分にある街ブリンディジへ渡りました。ここから北上してローマで後輩と落ち合う計画です。
前回はこちらです ↓
ブリンディジの日々
ブリンディジでは地元のスーパーで食料や日用品を買い、地元の食堂でパスタを食べ、散歩をし、街の人たちにまざって一緒に生活する日々で観光的な要素全然なし 笑
ブリンディジに着いたのが10月24日で、ローマで大学の後輩と落ち合うのが11月1日の予定。
ブリンディシからローマへは距離にして550kmほど、鉄道が通っているのでアクセスは容易だった。
というわけで時間もあり、ほんとにのんびり過ごす日々だった。
ユースホステルにもあまり人はおらず広いドミトリーを1人で使っていたけれど、あるときフランス人の旅行者が同室にやってきた。
いろいろ旅の話なんかをして、「どこの街が好きだった?」みたいな話題になり、その中で、
「ローマに行くならサレルノに寄ってみるといいよ」
と教えてくれた。全然知らなかったのだけど、サレルノはローマの少し南にある街で、ブリンディジとローマの通り道だった。
ブリンディジでひたすらのんびりしていた自分。
時間もあるし、サレルノに寄るのもいいかなと、彼に言われた通りおススメのサレルノに行ってみることにした。
宿があるのか心配だったけれど、聞いてみたら「いいところがある」と、手帳に地図を書いてくれた。
どうやらサレルノにもユースホステルがあるらしい。
というわけで早速駅に行って窓口で列車のタイムテーブルをもらい、翌日、善は急げでサレルノに出発!
↑ サレルノ行きの車内から。
サレルノへ
ブリンディジからサレルノへは鉄道1本で行ける。のどかなイタリアの田園風景を楽しみながらのおよそ6時間。
サレルノに着くと、手帳の地図を頼りにユースホステルを目指して歩く。20分ほど歩いてユースホステルに到着。
後輩とローマで待ち合わせの約束まではまだ余裕がある。ここサレルノには数日滞在できそうだった。
レセプションではこのホステルの主人らしき感じのよいマダムがチェックインの手続きを受けてくれた。
この仕事がすごく好きなんだと思う。落ち着いたたたずまいではあるけれど、とても楽しそうにチェックイン手続きをしてくれる。
「ようこそサレルノへ!どこに行く予定?」
手続きの終わり、マダムに聞かれた。
全然知らない街だったから、まったくなんにも決めていなかった。
「特に何も決めていなくて…」
そう答えると、
「あら!この近くには見どころがいっぱいあるんだから!」
ちょっと待っててとレセプションの裏に行き、大きなガイドブックを3冊持ってきて貸してくれた。
ドミトリーの自分のベッドで早速貸してもらった本を見てみる。
なんかすごい遺跡や火山(ヴェスビオス火山)、ナポリ、ポンペイ、アマルフィ…たしかに見どころいっぱい。すごい。
全部は行けないけれど、1か所くらいは足をのばせそうだった。
ガイドブックを眺め続けて、迷いに迷って、「アマルフィ(Amalfi)」に行ってみることに。
地中海と断崖の街 アマルフィ
アマルフィへはサレルノの港から小さな船でアクセスできる。
レセプションのマダム主人に「アマルフィに行ってみようと思います!」と話すと、船の出る場所や料金、帰りはバスを利用するのがよいこと、バスチケットの売り場などなど、親切に教えてくれた。
↑ 15人乗りくらいの小さな船。
朝、教えてもらった港の端っこに1人ポツンと立っていると、小さな船がやってきた。
料金を払って乗船し、船は地中海をアマルフィに向かって進んでいく。
地中海は本当にきれいな深い青色をしていていつも見とれてしまう。
↑ 海岸線を進んでいく。紺碧の地中海がとてもきれいでした。
穏やかな地中海、青い空を楽しんでいると、アマルフィが近づいてくる。
海から見ているとよくわかるのだけれど、ここの地形はすごく急峻で、山からすぐ海、というような具合。
つまり、海岸沿いに平野部がほとんどなかった。
アマルフィもまさにそんな感じで、急峻な山の斜面にはり付くように、建物が積み重なるようになっていた。
アマルフィはかつてはアマルフィイ公国(アマルフィ共和国)として繁栄した海洋国家だったらしい。
839年にナポリ公国から独立し、11世紀に最盛期を迎え、その後は衰退。
周囲はほとんど断崖ともいえるような地形で、長い年月をかけ山の斜面に沿ってつくられていった都市は空想の世界のようで、なんとも不思議な雰囲気があった。
ほんとファンタジー映画にでも出てきそうな不思議な街。
地中海の美しさと相まって歩くのがとても楽しい。アマルフィ、すばらしいところだった。
アマルフィを満喫し、宿に戻ってその日はゆっくり休んだ。
翌日、そろそろローマ行きのことを考えねばと、駅に行って列車のタイムテーブルをもらった。
タイムテーブルを見ていると、ローマ行きの夜行列車が目に留まった。夜行列車なら1泊分の費用と時間を車中で節約できる。
ということで夜行列車のチケットを購入し、サレルノを出発する日も決まった。いよいよローマへ!
こちらに続きます ↓