【ブーンX4・整備エッセイ】ハブボルト交換にベアリング脱着不可避なやつ

右フロントのハブボルトが折れていることに気がついた先日。この場合、新たにハブボルトを交換しなければならないが、ブレーキディスクを外すだけでハブ面の後ろから脱着できる車種と、そうでない車種がある。ブーンX4は後者に該当する車種だったことは、タイトルにある通り。

ハブ裏面からハブボルトの脱着ができなかった理由は十分なスペースを確保できなかったからで、十分なスペースを確保できなかった理由は車速測定に使われるリングがあるため。つまり、M300系ブーンやKGC15型をはじめとする初代パッソ(「プチプチプチトヨタ」のCMで有名)もこういうタイプになる。

ブーンのフロントサスペンションはストラット式で、リアサスは3リンク式サスペンション。つまり、今回は操舵機構のあるストラット式のハブのボルトを交換することになる。最終的にアライメント調整も必要。

今回、手元に強力なインパクトレンチがなかったため、タイヤを装着して地面に下ろした状態でスピンナーハンドルを使ってハブナットを緩めた。スピンナーハンドルの長さは覚えていないが、長ければ長いほど大きい力をかけられるので、これから購入される方はは640mm以上を選ぶとよいだろう(ネット通販で5,000円前後で入手できます)。しかし、ハブナットは整備の関係でかしめの状態にされているので先にこれを解除しなければならない。今回のように下ろした状態でナットを緩めるのであれば、一度車体をジャッキアップしてかしめを解き、再度下ろしてナットを緩めるのが正解だと私は思っているのだが、実際はどうなのだろうか。

サイドジャッキアップし、ブレーキキャリパー、ディスクローター、タイロットエンド、ロアアームジョイント部のボルトやナットをせくせくと緩めては外す。タイロッドエンドプーラーであったり、S字フックでキャリパーをスプリングに掛けておいたりと必要なものは案外あるものだが、工具が揃っていれば難なく進むはず。まあ、ボルトやナットが固着していて緩まないことは十二分にあるので、その時にはラスペネ等を吹きかけて浸透させるとか、ステアリングを回して作業しやすい位置にするとかすると案外解決する。

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問題はここからで、ハブとナックルを分離する作業作業と、ハブ側に残ったベアリングのインナーレースを外す作業、ナックル側に残ったベアリング(インナーレースとアウターレース)を外す作業、そして新しいベアリングをナックルへ圧入した後にハブとナックルを圧入させる作業などが結構大変だった。

作業前にネットでいろいろ調べるようにしているのもあってか、今回だとハブとナックルの分離、ナックル側に残ったベアリングの取り外し、ハブの分解やハブボルトの交換などは大方トラブルなくできたので、達成感は強い。

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ただ、油圧プレスの治具の設置、ハブ側に残ったインナーレースの取り外し、最後の圧入に関しては理解があまり進んでおらず、お世話になっている方々のお力を頂戴したので、次回の課題かと。

とある指摘を受け、いろいろありながら組み上げたナックルとハブのAssyを眺めていると、確かにエンジンスペックの割にはサイズが小さい(相対的に見て強度のなさそうな)。以前乗っていたDEデミオのナックルのほうが大きい気がする。これなら、トラブルを未然に防ぐという意味で1年あるいは2年の頻度でオーバーホールする(壊れる前に「直す」)のが無難かもしれない。

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今後の対策方法を考えたりしながらホイールを車体へ装着してジャッキアップを終えて、ホイールナットのトルクチェックをしていたら嫌な手応えがあり、そこにはハブボルトが折れた(ちぎれた?)無惨な姿が。とりあえずもう一度ジャッキアップ。

この車両、中古で購入した時からハブボルトはロングハブボルトに打ち替えられていて、さらにスペーサーが1枚組まれた仕様になっていた。ホイールナットの長さが足りるか心配で、事前に寸法を確かめて問題なさそうだったのだが、もしかしたらそれが原因かもしれない。それでも他は締められたので、ハブボルトの耐久性なのではとも。

車両的にも走行距離的にも年式的にも、消耗品は程よく壊れていくものですな。古い中古車を購入される方は、こまめに点検しましょう。



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