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AR8EIT MACHT FREI 遍歴 後編
メリークリスマス、ミスターローレンス
「労働」を提供してお金をもらった遍歴 後編です。
大学近くのスーパーでレジ打ち
ネットカフェをやめたあと、2012年の5月から近所のアプロというスーパーでレジ打ちのバイトをした。仕事は本当にレジ打ちのみで大体たちっぱ。レジ打ちではあるがそこそこの規模のスーパーだったので、ほかのレジのバイトやパート、レジだけでなく青果鮮魚日配などあらゆる部門のバイトパート社員さんと関わり合い、みんな優しかったためかなり職場環境としてはよかった。時給は安かった。俺といえばアプロのバイトとよばれるほどこのアプロには思い入れがあり、大阪大学の大学生活と北摂の地域生活がダイレクトに交わるものでお客さん全員の人間らしさを感じることが多く、自分のローカル意識とか求める生活感が大いに養われた。鍋の食材を買いに来た友人グループにレジで「終わったら来てよ」と誘われたりして、バイト終わりその足で向かったりした。そういう暮らしがあった。俺がレジにいない時間を見計らって買い物に来てた友達もいたらしい。本当にごめんなさい。
そんなアプロには名物社員、俺が勝手に思ってるだけのがたくさんいた。ミスっても全然怒らないし俺に80年代HR/HMのリアルな話をしてくれる最高の店長、ギャルっぽい見た目で伝言メモがしっかりギャル文字のレジ打ちMさん、中卒でちゃんと危ない橋を渡ってきた鮮魚部のおじさんなどなど話題には事欠かなかったが、一番仰天だったのは青果部のKさんだった。Kさんはスタイルもよく髪を短くまとめ上げ、かけているメガネが利発さを押し上げている。大卒らしく、なんでスーパーの社員やってんだろうと思うほどまともそうだったが、びっくりすることに掛け算ができなかった。さらに、同じ青果部でバイトしていた同僚鵜川の話によると、Kさんは残り時間に対して出してくる指示が多いらしい。あと1時間では到底終わらない作業を振ってきたりすることがあり、なんでだろうと思っていたら、なんと1時間を100分だと信じていたらしい。変態である。掛け算とか時計ではなく、そんなやつがメガネをかけていることが変態である。その矯正具で何を見つめていたのだろうか。もしKさんがポルポトに殺されたとしたら面白すぎる。そいつはバカだから大丈夫なのに~と言ってあげたい。
北摂とはいえ石橋は低所得地帯だと思っている。なぜなら終わってしまったお客さんもそこそこいたから。1ポイントをつけ忘れたら5分キレてきたおばあさん、毎日半額シールのついた商品だけを大量に買いに来る(それ一日で食ってるの?)おばあさん、見た目キレイなのにたまに裸足でくる怖い女子高生など、石橋!であった。近所のサンディはもっと安かろう悪かろうだったから、もっとやばいんだと思う。阪大生の客も多く、毎年4月にお父さんお母さんとやってくる新入生一家には「いや新生活ぐらい一人で始めろや」とイラ立ち、鍋パの具材を大量購入する男女の汚い髪色真っ黒眉毛のグループとかで読み込みの終わった商品を先にサッカー台に持っていかず、ぼーっとレジ終わりを待ってるだけの男には「見た目も中身もクソなのかよ」とイラ立ち。
多くの人に囲まれた中、もちろん阪大生のアルバイトもたくさんいた。その人たちはみんなスーパーのバイトを選ぶぐらいだから心穏やかで、仕事への熱具合がほどよかった。よく思うけど俺は自分と気の合う人がいる環境を選ぶのが本当に上手い。社会人生活を除く。そんな彼らと、バイト終わりに松屋や天一、王将、宮本むなしなどに飯を食いに行くのが楽しかった。飲み会や遊びではなく、ごはんっていうのが心地よかった。宮本むなしの昭和のハムカツ定食がなくなってしまったことをまだ悲しんでいる。
シフトも結構融通がきいたことで大きなストレスもなく、また廃棄をもらえるとかはなかったが毎週水曜日に店先にたい焼きとかの屋台が出ていて、そのお兄さんがいい人でレジアルバイト全員にたい焼き5個くれるのとかあって結構よく、結局就活を開始する大学3回の冬まで勤めた。今でもこのバイトが一番想い出深く、働く環境としてよかったなと思った。「アプロでバイトしてた時が一番だわ」って俺よく言ってると思います。
他
その後定バイトに就くのは嫌になり、単発で色々とやる生活になりました。大量の金を得るよりも自由を欲するタイプです。
・コンサートスタッフ
大阪のそういう系のバイト。ポールマッカートニーの京セラ。Let it beを聴いてちょっと泣いた。ちょうど就活を始める直前で、仕事ってどんなもんかいのと思って参加したら、簡単な仕事を「むずいっすね~」と言ってるやつとか、俺にクソキレてくる社員とか、客はビートルズということもあって普段ライブとか来ないからそういう勝手のわからないクソじじいが大量にいたりとか、通っちゃいけない通路を「ええやん通してや」と言ってくるクソじじいとか、全部"最悪"だった。
・経済学実験
阪大生にとってはおなじみ、カイジみたいなゲームをしてそのゲームで得た報酬分のバイト代をもらえるもの。楽しかった。
・アンドロイド対話実験
阪大でおそらく最も著名な石黒研のAIと対話してデータをためさせてあげるバイト。阪大にいる意味がある感じがして楽しかった。普段行かない基礎工の研究室入れたりするのがよかった。
バイトね~~~~~~~~~~~~~と思いますね。ちなみに面接で落ちたのは新阪急ホテルのレストラン、茶屋町のアクアリウムカフェ、池田のダイエーのファッションとくらしのフロア、です。