見出し画像

東京タワー~文フリとモノレールと、トキドキ、焼肉~

高校まで11月のことが全然好きじゃなかった。冬に向かっていく、だんだん寒くなるのが最悪で気分が落ち込む、イベントもないしなあ、と思ってめちゃくちゃ嫌いだった。が、大学に入って意外と楽しいのが11月だった。学祭に始まり一瞬高まる祝祭性、大学のあんまりしゃべらなくなってきた友達も偶然会うとそこで喋れたり、違う一面が覗けたり、そういう特別さがある11月頭の大学には。それが終わるとゆっくり普通の生活が始まっていく。もちろん寒いのは嫌だけど、その生活が凝縮されている感じが好きだった。2011年の11月はschool food punishmentをよく聴いていたのでその印象が強い。

画像1

そんな11月、今年はイベントが多かった。すべての週末が予定で埋まり、また世の中が飲み会をそんな忌避する雰囲気ではなくなったため平日もわりと飲んでいたりして、家でゲームをする暇もないほど忙しかった。聴き逃しているラジオも多い。これが俺の忙しさを測る尺度である。学芸大学で仕事終わりになんとなく、今まで行ったことない飲み屋に入ってみるなどもした。妻とも、大学の後輩とも。そういう忘れてた遊び方をしていた。

画像2

一番大きなイベントは11/20に実施した両家顔合わせだった。妻側の両親がようやく「東京いってやってもいいか」という気持ちになったようで、機会を逃すまいと実施した。顔合わせ自体は東京タワーのふもとにある「とうふや うかい」でつつがなく終えたが、印象的だったのはその後2日間親に付き添って鎌倉・東京観光をしたことである。大学生活でも社会人生活でも、実家を離れてから10年、家族と観光をする機会はほぼなかった。両親も還暦と還暦手前、さらに田舎者であることからいろんな面で思うようにいかずストレスたまるだろうなと不安視していたが、なんと2日で合計35,000歩も歩いていた。しかも母親に至ってはやたらに電車に乗りたがり、1発で羽田に行けるバスよりも2回乗り換える地下鉄を好んだりしていた。疲れた、など一言も漏らさず、父親は電車を、母親はお洒落な外観の建物や街並みを写真に収めていた。自宅から最寄りの学芸大学駅まで案内したときはこの街の佇まいにいたく感動し、「車が全く通らないから静かですごい!」と意味わからん感想に帰結していた。学大のお洒落な店に連れて行こうか考えあぐねた結果、駅前の日高屋に入ってディナーを嗜んでいた様子を受け、まだまだ元気でいてくれそうで安心した。変な形態の親孝行をここに完了する。

画像3

その翌日、11/23には文学フリマ@東京に出向いた。東京モノレール流通センター駅という狂った土地で催されるこの式典、過去2回ほど参加してかなり面白かったので久々に行きたくなった。文学フリマの面白い点として、自分の本当に興味のある分野が可視化されるところにある。文学というアウトプットのもと、エログロからプロ野球観戦記、旅行記、小説、短歌、純文学など様々なカルチャーが展開されており、それに対して自分がお金を払って得たものこそ、本当に興味のある分野だと再定義できると思っている。自分がお金を払ったのは以下

画像4

高校生活・受験ルポ、お笑い、好きな随筆家(こだま)の作品、大学の友人の作品
まず受験ルポがキモいというのはある。『私たちの中学お受験フェミニズム』と『私の地元と高校の話』を並行して読み進めているが、受験は資本の力であったり自己実現欲求であったり、そういう自分が揶揄したすぎる部分と密接にかかわっているのでやはりコンテンツ力が高い。高校生活については超ミクロな視点でフィールドワークをしており、全てのことが学問になるという民俗学の観点を体現していて心地よい。俺が書いてるこのnoteも意外と受験や学校生活に関係する投稿が伸びていることから、世間もミクロな受験・学校ルポを欲しているのねと思う。12月は試しに1個ぐらい有料記事(100円)を書いてみようかなと考えている。あとはお笑いや音楽についての批判的な記事とか。空気階段の顔ファンみたいなのが書く"推し"の記事に辟易しているので。

大学の友人は2017年時点でも出展をしており、そこで久々に再開した。今住んでいる街や職場をきき、そういう交流の場にも使えるんだと思って、今回「さすがに2回は会えないだろ」と思って会場を一周したらいたので面白かった。お前が書いてるのは純文学だったんかいと思った。近況をきくと4年前と生活の拠点も生活自体も何も変わっていないということで非常に安心した。

文フリのあとに横浜に行こうと思って乗ったモノレールで東京の夕景を熱心に見ていた。さっきの友人のように自分のやりたいことをやるために生活し、それを発表している様を見ると嬉しくなるし俺もがんばろうと思わされる。仕事でどうのこうのみたいな成果で社会に出ていくより、学生時代までに好きだったことを続けて形に、しかも彼のように商品にしてる話を聞く方が嬉しすぎる。文学部という学部の特性上、社会のスタンダードな道の上で名をあげるのはまずゲロ吐いちゃう性格のやつら、そもそもそういうのに不向きな社会不適合者が多いためではあるものの、そうじゃない高校や地元の連中がそこで名をあげるのもすごく楽しみにしているし、心から応援できますね。俺も頑張ろう。

画像5

そんな話を昨日目黒の韓国料理屋でサムギョプサル食べながらしました。安くて多くてうまい店です。肝臓の数値でひっかかって一瞬禁酒してましたが腹部エコー的には問題ないそうなので、やりすぎない程度に酒を飲みます。忘年会しましょう。

画像6

ウエストランドのぶちラジの公開収録をロフトプラスワンで見たのですが、カルチャーが眼前に広がっていて、ここで行われたことは全てリアルで、リアルでしか体験できないことだという高揚感が生まれた。即興漫才を観ているときは特に。カルチャーの《場》の機能を感じた。東京楽しいね。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集