洗濯物
『朝はとりちゃんと一緒に洗濯物を干したりしたいんだよ。』
単身赴任で離れて暮らす夫がそう言った。
洗濯物かよ!と思ったけど、なんだか嬉しかった。
離れて暮らすようになってからあっという間に半年以上が経った。
夫がいないことに慣れたけど慣れてないような、毎日。
そんな中変わらないのは、毎朝の夫からの『大好きだよ』のLINE。
付き合っているときから毎日かかさず送られてくる。
それにわたしは笑顔のスタンプだったりgoodマークのスタンプだったりを気分で返す。
そんな風に変わらずにいてくれる夫のことを、好きだったり嫌いだったりする。
昨日は大好きだったのに今日は大嫌いになったり、数時間前は大嫌いだったけど、今は大好きになってるみたいなことがよくある。
人間としてやばい。不安定すぎる。反省する。わたしじゃないほうがいいのでは?と考える。
そしていつも、だいぶ前に夫から言われた『たまに気が向いた時だけ好きで居てくれたらいい』という言葉を思い出す。
多分この先何回も何回も思い出すかも知れない。そして大切に思う。大切にしなきゃと思う。
『居てくれるだけでいい』とか、ベッドの中でこっそり泣いてたらすぐに気づいて涙が止まるまで拭いてくれるのは、この人しかいない。
癇癪を起こして泣きわめいても、最後に抱きしめてくれるのもこの人しかいない。
自分のケーキの最初のひとくちをくれるのも、冷たくなった手足を挟んで温めてくれるのも、隣で寝ていてわたしに毛布がかかってるか確かめてくれるのも、
自分はくたびれた服を着てもわたしには新しい服を着させてくれるのも、この人しかいないと思う。
それなのに、全然優しくできない時ばかりで申し訳ない。
最近生きてることへの力がなくなって来てしまっていたけど、こんなに愛してくれる人がいるなら生きていくのもいいよなあとさっきお風呂の中で思った。
多分いい奥さんにはなれないけど、離さないでいてほしいと勝手にずっと思っている。