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ショートショート「夏の青空」
ルール:思いついた3ワードで短編小説を作ります。
今回の3ワード:空,犬,カバン
『夏の青空』
夏の青空の下、柴犬1匹、俺一人。
テクテクとこの街を散歩していた。
この犬は不思議な犬で、背中はファスナーが付いていてまるでカバンのようになっている。信じられないと思うが、ファスナーを開けるとそこには空(そら)が広がっていてもう1つの太陽が眩しく光っている。
しばらく歩いていると女子高生が4人、こちらへ歩いて来た。
「すいませんいいですか?」と聞かれたので
「ああもちろん」と答えた
いつものことなのだ
女子高生は犬の背中にいくらか小銭を投げ入れると手を合わせてお祈りをした。この街ではこの不思議な犬に願い事をすれば叶うという噂が広がっているのだそう。
俺はワンコを撫でた、背中を覗いて見ても夏の青空が広がるだけそこには何かあるわけではない。皆がお金を使ってお祈りしようが知ったことではない。ここにはいつもと同じ空があるだけだ。
またしばらく歩いていると上の空からひゅーーっと何かが落ちてきて地面にぶつかった途端にチャリーーンと高い音を立てて勢いよく跳ね返った。
「あ、あれはさっき女子高生が投げ入れたものだ」
「お金は回りものっていうものね。」
そうして俺はそのお金を拾ってまたワンコの背中の青空に投げ入れた。
3ワードで作るショートショート
終
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