『かわいい戦争』 (328)ショートショート
いつからだろうか、空に戦闘機が飛んでいってもそれが当たり前になった。どうせまた通り過ぎるだけ、ここらへんは標的じゃない。隣の港町がまた狙われてるんだよ。
怖いなぁと心の何処かで感じてるつもりだけど、あくびする日常もちゃんといつもそばにある。
また戦闘機が一機向こうの空へ通り過ぎてった。今日は雲が厚くて見えないわ。透明な戦闘機が音だけならして見えないままの破壊力がそこに確かにある…はず。
「おーい」
友達の声だ。いつもと同じ。
「おー元気?」
「もちろん元気!」
「アハッ、な