30歳過ぎまで、努力すれば報われると思ってたけど違った
5年前の話。朝起きて目をこすりながらトイレへ行き、大便をする。毎日の習慣。終わったら顔を洗って1日を始める。
朝は大体時間がなくて、スーツに着替えて土屋鞄製造所のビジネスブリーフケースを持って家を出る。
道中で今日の授業の流れを予習する。学校に着いたら、昨日の終わりに印刷しておいたプリントの束を順番に持って、教室へ向かう。
挨拶をして、授業開始だ。当時の僕の仕事は英語教師。そんな日々を繰り返して、31歳になった。
音楽のために選んだ働き方
僕は担任を持つような先生ではなく、英語の授業だけを担当する先生だった。担当する授業が終われば帰ってよい。
この働き方を選んだのは、浪人生の頃に始めた音楽で目指す場所があったから。
大学生の終わりに組んだバンドで、社会人になっても曲を作り、ライブ活動を続けていた。バンドの名前は「あめすい」。
目指すはフジロックフェスティバルのメインステージだったが、ついにそのバンドは目標にたどり着くことはなかった。
埼玉で行われたフェスでの竹原ピストルさんとの共演が、バンドのハイライトだったように思う。
興味を持ったらとにかくやる
さらに僕はバンドと並行してボクシングも一生懸命やっていた。ボクシングを始めたのは高校1年生の頃、『はじめの一歩』に影響を受けてだった。
社会人になっても続けていたら、日本で最も多くのチャンピオンを生み出したジムの会長に「プロにならないか」と言われ、断る理由がないというのでプロになった。
プロとしての活動は2年間で、戦績は3戦3敗だった。
自分の精一杯の努力
音楽もボクシングも、努力した。なんでこんなにやってるんだろう、と思うぐらい。
たとえばボクシングなら、毎朝走り、立ち上がるのがしんどいほど練習し、試合前の減量では最後は水も飲まずに調整。プロにとっては当たり前のことなので、特別すごいということではないですが、努力をコツコツ積み重ねました。
でも音楽でもボクシングでも、当初望んだ状態までいけなかったのは事実です。集中してないからそうなるんだ、という面ももちろんあるでしょう。
でも同時に、別のことをやっていることによる良い影響があったのも事実です。別の視点を持てるとか、距離を取って無になる時間をつくれるとか。
その上で、1つだけに集中していたら望む状態にたどり着けたかというとあやしいなと思っています。なぜなら当時の僕は、適切な努力の場所をわかっていなかったように思うからです。
ビジネスで知った努力すべき場所
僕が「努力にもやり方がある」と強く感じたのは、教師をやめる決断をして、独立のために、オンライン講座でビジネスを勉強している時でした。
それまで、自分でビジネスを行うということは、博打のようなものだと思っていました。挑戦して、運がよければうまくいくというような。
でもそうではなく、たとえば100円で仕入れたものが300円で売れて、その売るためのコストに150円かかるとすると、利益は50円。売れることがわかっていたら、100個売れれば5,000円の利益です。100万個売れれば5,000万円の利益です。
たとえばこのように、勝つべくして勝つ流れを設計した上で、しかるべき場所に注力することで、はじめて努力が実るのだなと痛感しました。がむしゃらにやることも大事ですが、それだけではないというか。たぶん当たり前の話をしています笑
努力すべき場所の検証
僕はビジネスの流れを考えるのが楽しくなり、試していきました。
最初は自分の英語コーチングを売ろうと思ってYouTubeを毎日撮るなどしていたのですが、英語を教えることは教師として12年間やってきて、残念ながら少し飽きてしまっていました。それよりも、ビジネスの流れづくりやコピーライティングに夢中になっていきました。
そこで、自分の知人に声をかけ、その力を発揮する場をいただくことにしました。最初はもちろん無料で。試行錯誤です。エステサロンのチラシを作ったりメニューを考えたり、化粧品の新規事業立ち上げのアドバイスをしたり。
手を挙げる
そんなある時、Twitterで「WEBマーケティング詳しい方いませんか?」というツイートを目にしました。それは『人生逃げ切りサロン』という場所でも登壇していたITスクールの経営者、古里さんのツイートです。
僕は「お力になれると思います。(施策案)よかったら一度Zoomでお話しませんか?」といったメッセージをしたところ、Zoomすることになりました。
そこでコピーライティングに関する提案をしました。アクセスがあったnote記事の、CTA(行動喚起)と呼ばれる誘導文言を変えたんですね。そしたらそこからの登録が1週間で4倍になりました。「ぜひ契約してご一緒したい」とのことで、お仕事がスタート。
努力する場所を変えただけ
たくさんヒアリングしてコンセプトを整理し、スクール名を変え、販売の流れを変え、HPを更新し、と夢中でやっていたら、当初売上60万円ほどだったのが、1ヶ月で売上2倍、3ヶ月で5倍、9ヶ月で9倍と、ぐんぐん伸びていきました。
もちろんずっと伸びていった訳ではありませんし、古里さん側と一緒に努力した結果ですが、ご一緒する前とは結果がまったく変わりました。
行ったことはすべてビジネスを通して学んだことです。努力すべき場所を見極め、そこに注力しました。以前よりも努力した訳ではありません。以前と努力する場所を変えただけです。
それでこんなに結果が出るものなのか…と驚き、拍子抜けしました。てこの原理みたいなものなのかわかりませんが、力の入れどころが大事だということを痛感するできごとでした。
ちなみに古里さんが経営しているITスクール『RareTECH』の質は業界No.1と言って過言ではありません。即席なんちゃってエンジニアではなく、骨太で優れたエンジニアを志す方にとっては本当に良いスクールです。ものが良いからこそ、適した場所で努力することで結果が伸びたのだと思います。
その後3年間ご一緒することになりましたが、素晴らしい経営者と素晴らしいサービスにご一緒させて頂けて幸運でした。
結果を得るための必要条件
これは、あくまで夢中でやっていることを仕事にしたい場合の話です。お金にする必要がない、仕事としてやっていく必要がない、という場合は関係ありません。
何かで優れた結果を得るには、技術が優れている必要があるでしょう。そのための努力は必要です。自分に言ってます。ですが同時に、技術が優れているだけでは、仕事にするには不十分だなと思っています。
たとえばどんなに優れた絵を描く人でも、どんなに優れた文章を書く人でも、家にこもっていては、その実力が認められることはありません。誰かが代わりに売ってくれでもしない限り。
優れているだけでなく、価値へ転換する
実力が認められたとしても、生活できるお金を十分に稼ぎ続けられるかは別の問題です。これがとてもむずかしいところで、優れた人でもその道で食えていない人はたくさんいるでしょう。もちろん食えることだけが正義ではありません。
優れていることへの努力は必要だけれど、それに加えて、その優れていることが伝わり、価値になり、仕事にしていく努力も大切だなと今は思います。それをできる人と組むことも含めて。
もし趣味ではなく仕事でやっていきたいのであれば、技術を磨く努力は必要条件で、その上で、それを価値に転換する努力も必要なんだなぁと今は思います。そうすることで、価値へ転換するのに必要な技術側の努力も明確になります。
漠然と好きなことで稼ぐ、仕事にしていくぞ、と闇雲に努力していたのは無知でした。とにかくあきらめずにやり続けることしか考えていませんでした。もちろん、それも大事なのですが!
仕事にしていくための技術の基準すらわからず、30歳過ぎまで生きてたの僕です。せつない。でも未熟な僕には必要な時間、経験だったのでしょう。
成功確率を上げる努力を選びたい
努力によって、誰でも目的達成の成功確率は上げられるんだと思います。とはいえ、どこで努力するか?ということが非常に重要だと感じています。自分が輝ける場所で努力すること、望む結果に近づく場所で努力すること。
僕はと言えば、優れることへの努力も足りなかったし、努力の場所も適切ではありませんでした。それでも毎日とっても幸せに生きてはいました。笑
時間は誰でも24時間。できるだけ長い時間努力するに越したことはありませんが、その配分をどうするか?を僕は全然考えられていなくて、30歳を過ぎて学びました。
独立の道を選び、努力の場所を意識するようになってからは、以前よりも望む結果を得る確率が上がったように思います。
そのおかげで今、好きな人と好きな場所で好きなことを仕事にできています。マーケティングが楽しくなり、仕事になり、今に至ります。
僕も努力の場所を変えていなかったら、今も教師のまま、同じような日々を繰り返していたと思います。それはそれで良い人生だとは思いますが、僕は変化を求めました。
今日はどこで努力を積み重ねよう。
埋もれた価値を、未来に残す道のり、精一杯がんばります! ありがとうございます。