つづく古本屋ブーム
蟲文庫 田中美穂 著「わたしの小さな古本屋」
先日読んだ弍拾dB藤井さんの「頁をめくる音で息をする」に登場する倉敷の蟲文庫田中さんの著書「わたしの小さな古本屋」。
今、古本屋の店主という生き物が好きだ。
この小さな文庫を読んでいるだけで行ったこともないのに、まるで行ったことがあるかのような錯覚をする「蟲文庫」。
店主の田中さんの時間軸や生き方は、最先端を感じさせる。
自分の苦手を減らし「これはできる」に特化して突き進んだ姿は、清々しい。
学歴や名誉、稼ぎを優位としてきた時代なんてとっくに終わっていて、過去の栄光云々より、その人が今なにをたのしんで、たのしむためにどんな努力や苦労をしているか、に世間は興味がある。
きれいすぎる人生なんてないし、そんな予定調和は求めていない。
「自分らしくいきる」とは、きれいな言葉だけど難しい。
毎日が試行錯誤、結果も一切わからない、誰も助けてはくれない、自分と自分のやりくりなのだ。
自分を励ますのも、背中を押すのも、全部じぶん。じぶんじぶんじぶん。
と、改めて感じたのは、私もそんなひとりだからだ。
なんとなく流れで始めたデザインの仕事。小さなかけらを拾いながら、どこまでできるか不安なまま、時には大きなピンチにも見舞われ、ようやくここまできた。が、まったく「儲かって」はいないし、まだまだ道のりは長いし、ゴールはないと思う。
その代わり、ストレスも少なく、やりがいやたのしさを得ている。人生はものすごく長いものになったんだから、このくらいがちょうどいいと思っている。
人と同じじゃなくていい、少しづつ小さいことから始めてみる、これからの生き方をやさしく教えてくれる一冊。
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