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マレーシアで必要な言語は?
マレーシアに住んでいるtoriです。
日本から移り住み二年が経ち、ある程度生活が安定してきた中、私の小さな小さな観測範囲内での出来事を書いていきます。
マレーシアで使われる三言語
マレーシア語、英語、中国語。
歴史的背景からこの三つが飛び交う、ここマレーシア。
この中で、日本人である私や子供が優先するのは、断然英語。
インターを中心とした世界だと英語で事足りる。
エアコンなどの修理、Grabも簡単な英語でOKなので(お互いの理解度はさておき)、義務教育中から長く親しんでいるはずの英語を磨くのが一番手っ取り早い。
マレーシア語と中国語とはどうやって関わっていこうとしているかについて。
マレーシア語は邪魔??
「なんでインターなのにマレーシア語をやららいといけないの?」
インターに通わせていれば、にょきにょきっと芽生えてくるかも知れない率直な意見。
マレーシア語をやっても意味がない、使えない、ということだろう。
日本人には考えられないことだけれど、マレーシアで生まれ育っているのにマレー語ができない人もいる。増えている。
というのは、中華系マレーシア人は、学校では中国語、家庭では中国語か英語を話すから。
マレーシア語は義務教育の必須科目のようだけれど、
中華系マレーシア人にとってのマレーシア語
=
日本人にとっての(学校で習う)英語
みたいな立ち位置なのかと想像。
母国語のはずの人たちですら使わなくて済む言語をやる必要はないでしょう!?と言いたくなるのはわかる、うん、わかる。
でも、ここはマレーシアなんだよな…
その国の言葉を軽視しつつ
「多様性、海外でやっていけるマインドセットを学びに来ました!!!」
というのは、住まわせてもらっているこの国を尊重しているかな?そう言う態度で海外で暮らしていけるかな?と思う。
日本で外国人が日本語不要という態度だったら…酷い目に遭うと断言できる。
私は学んだ全てが将来役に立つべきと思っていないので、「せっかくマレーシアにいるのだから、やったらいいじゃない!」派。
学校でやるレベルでは話せるようには全くならないけど、それってつまりは負荷は低いということ。
(我が子は、授業+単語を前日に覚えていくことで試験は乗り切れている。他の学校はどうなんだろう)
一つだけリクエストさせてもらえるのであれば、「角」「牙」なんて動物の部分シリーズの単語ではなくて、街で使えそうな単語を教えてくれるとありがたいんだけどな、先生。
その方が定着すると思うの。
そもそも、人口増の成長著しい国であること、同じ語族を話すインドネシアの人口を考慮すると、マレーシア語は存在感を増す可能性だって大いにある。
また、マイナー言語×マイナー言語、のほうがニッチな人材になって仕事に結びつきやすいという考え方も。
(あとマレーシア語、IGCSEの選択科目に入っている)
話はズレるが、国の言葉マレーシア語が民族同士を繋いでいる役割もあるのでは?と思っているが、この辺りの事情はどうなんだろうか?
ちょっと興味あるな。
中国語もできたらいいよね
中国語に関しては、中華系マレーシア人はたいてい英語も堪能なので、やはり「必要!」と思ったことはない。
でも今私はお遊びで中国語を勉強している。
Duolingで175日連続。
こういう気持ちになったのは、マレーシアという環境のおかげ。
みんな3、4の言語を当たり前のように操るから、気持ちだけでも見習いたい。
また、マレーシアで「中国は強い!」と改めて知った、ということもある。
世界中にチャイナタウンをつくる民族、その言葉の力はとても強い。揺るがない。
英語が全くできない母子留学中の中国人ママ達、何も困っていない。
中国語ができるマレーシア人がたくさんいることもあるけれど、その秘密は、中国コミュニティの結束のかたさ。
この夏オーストラリアに行き、アジア人、中国人の多さに「アジアだけじゃなくてオーストラリアにもこんなに…」と、世界中あらゆる場所で根を張っているのを実際に垣間見てしまった。
日本人にとって「漢字という共通ツール」を持つメリットをいかせる唯一の言語、中国語。
発音が難しく歯が立たないけど、毎日ほんの5分程度続けている。
言葉は魔法
最後に、簡単な言葉だから、拙いコミュニケーションだからこそ実感した言葉の凄さについて。
ここマレーシアで本当に簡単な英語も通じなかったのは、二年間でただ一回だけ。
オープンスペースのローカルなフードコート(でいいのかな?)でegg tartやcurry puffを買おうとしたとき、ふと目に付いた名前もわからないマレーシア菓子も欲しくなり、店員さんと私の間にある透明の陳列棚を指さし「That one, please」といったものの、所狭しと10種類ほど並べているためどれのことか分からない様子。
「That yellow one!」といったりもしたけれど…残念ながら通じない。
yellowの発音が悪くて通じないとかあんのか??どれだけ?と焦る…
しかし、ふと子供の学校の勉強に付き合った時の単語が思い浮かんだ!
「kuning!」
私は帰り道、ある言葉を発するだけで欲しいものが得られるなんて、これもう言葉とは魔法なのだ、spellって呪文という意味もあるしね!赤ちゃんも初めて言葉が通じた時、感動したでしょ、などと興奮気味に早歩きで家へ帰った。
知っている言語が、言葉が増えるほど、何かが得られる。
それらは経験を広げ、気付きを与えてくれる。
そういう言葉、知識、そこから生まれれる経験をつなぎ合わせて、子供には強く生きていってほしい。
※ちなみにkuning(黄色)という呪文で手に入れたのは、Bingka Ubi(ビンカ・ウビ)というココナッツ風味のもちもちとしたパウンドケーキのような甘いお菓子。