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鶏って飛べるの?飛べないの?
ある日の平和な日本一鶏肉研究所、、
片松研究員「博士博士! ちょっとお聞きしたいことがあるんですが?」
Dr.チキン「コケッ? どうした片松君?」
片松「今更ながら思ったんですが、鶏って鳥類ですよね?いっちょ前に、」
Dr.チキン「いっちょ前の意味は分からないけど、そりゃあそうだよ。」
片松「翼もありますよね?いっちょ前に、、」
Dr.チキン「だから、、まぁいいや。あるね翼、、それが?」
片松「なんか鶏って飛べるイメージ無いんですよね、、たまにジャンプした時にばたつかせてちょっと滞空時間伸ばしてるだけにしか見えなくて、、」
Dr.チキン「あぁそういう話か、、みんなの知っている『鶏』が飛べなくなったのにはちゃんとした理由があるとよ、ちょっと長くなるけど、、」
もともと鶏は飛べていた!?
皆さん『鶏』と聞いてどんな鶏を思い浮かべますか?白い羽に赤いとさか?それとも赤鶏? では皆さんその鶏が飛んでいるイメージってつきますか?私は小学生の時飼育小屋でよく鶏を見ていました。
その時に鶏が時々、ジャンプしながら翼をバタバタして少しだけ浮き上がる様子を見ていたのを覚えています。でもよく考えたら翼あるのに『え?こんだけしか飛べないの?』と思いますよね。
ではなぜ鶏はほとんど飛べないのでしょう?実は鶏が飛べないのは、人間に飼育されている鶏の話で、実は野生の鶏は飛べるって知ってました?
鶏の祖先? その名は「セキショクヤケイ」!!
野生の鶏って何?と思った方、もちろん日本には野生の鶏というのは基本的に存在していません。しかし世界には鶏の祖先になっていると言われる「セキショクヤケイ」という種類の鳥類がいます。
セキショクヤケイは、南アジア南部から東南部の森林や草原などに生息する野鶏です。漢字で書くと「赤色野鶏」といい、赤い毛並みが綺麗な鶏で、確かに昔ながらの鶏に似ているきがします。
このセキショクヤケイ、、実は鶏と違い「飛べる」んです。実際に飛ぶ様子が動画でも挙げられていて、結構な距離(数十メートル)を飛んでいます。ジャンプしてる感じではなく、しっかりと上昇していってます。
なぜ飛べなくなった??
ではそんなセキショクヤケイが鶏の祖先だというのならなぜ、、いつから飛べなくなってしまったのでしょう?その理由には我々人間が大きく関わっています。
大昔の人間がたまたまセキショクヤケイを食べたとき、そのお肉がとても美味しく、また食べたいので、捕まえて飼育することになりました。そうすると人間に都合のいいように飼育されていくことになります。
より大きく、美味しくするためたくさん餌をやり、太らせます。そして害獣が来たら人間が追い払うので、鶏は自分で飛んだり逃げたりして身を守る必要もなくなります。
そうして年月が経つにつれ、飛ぶ必要性がなくなり、体重も太りやすくなるので、飛べない体になってしまったというわけです。ちなみに餌を制限し、痩せている状態なら家の屋根くらいまで飛ぶ力はまだ残されています。
つまり人間が守ってくれる、餌をくれる環境に身を置いたことでその環境に順応していったということですね。ちなみに初めて日本に来たのは紀元前100〜200年のことで、その頃のニワトリの容姿はセキショクヤケイに似ていました。
Dr.チキン「、、、そんなわけで我々がよく知る鶏は飛べないということたいね。」
片松「なるほど、確かに人間が代わりにやってくれるなら飛ぶ必要もないですよね。やっぱり生き物の環境適応能力って凄いんですね。」
Dr.チキン「このセキショクヤケイから食鶏に至るまでの人間の試行錯誤が今のブロイラーや銘柄鶏の飼育のノウハウに繋がっているんだろうね。」
片松「先人達の苦労で今安定的に私たちが鶏肉を食べられるというわけか、、それにしてもセキショクヤケイなんて聞いたこともなかったですよ」
Dr.チキン「勉強あるのみだね」
片松「はい頑張ります! ところで博士は飛べるんですか?」
Dr.チキン「いやそれが私は単純に太りすぎてて、こないだも健康診断で先生からBMIを、、、ってコケーーーーーーっっ!!」
皆さんも太りすぎにはご注意を、、、