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株式上場・プロマーケットとは?違いについても解説

企業の成長や事業拡大において、資金調達は重要な課題です。
特に、多くの企業が採用する手段の一つが「株式上場」です。
また、最近では「プロマーケット」と呼ばれる市場も注目されています。
この記事では、株式上場とプロマーケットの違い、それぞれの特徴やメリット・デメリットについて詳しく解説します。


株式上場とは?

「株式上場」とは、企業が自社の株式を証券取引所に公開し、一般投資家が自由に売買できる状態を指します。
日本での主要な株式市場には、東京証券取引所(東証)の「プライム市場」「スタンダード市場」「グロース市場」などがあります。
これらの市場に上場することで、企業は資金調達の機会を得られるだけでなく、社会的な信用度や知名度が向上します。

株式上場には、投資家が安心して企業に資金を提供できるようにするためにいくつかの厳しい要件があり、企業の財務状況やガバナンス、コンプライアンス体制が評価されます。
特に、上場企業は定期的な財務報告や株主総会の開催、投資家向けの情報開示が義務付けられており、透明性の高い経営が求められます。

株式上場のメリット

1.資金調達の拡大

2.社会的信用および知名度の向上

3.株式市場での評価


株式上場のデメリット

1.上場時と上場後の継続的なコスト負担

2.経営の透明性要求

3.買収リスク


プロマーケットとは?

一方、「プロマーケット」とは、株式を一般の投資家ではなく、プロの投資家に限定して取引を行う市場です。
日本では、東京証券取引所に「東京プロマーケット」が存在します。
この市場は、機関投資家や富裕層など、投資の知識や経験が豊富なプロフェッショナルを対象としています。

プロマーケットの最大の特徴は、上場基準が柔軟である点です。
通常の株式上場と比較して、売上や利益といった厳しい基準がないため、スタートアップ企業や中小企業でも上場がしやすい市場となっています。
しかし、上場後もプロフェッショナルな投資家向けの詳細な情報開示が求められ、一定のガバナンス体制が必要です。

プロマーケットのメリット

1.上場基準の柔軟性

2.専門投資家からの資金調達

3.情報開示の簡素化


プロマーケットのデメリット

1.流動性の低さ

2.一般投資家へのアクセス制限

3.ガバナンス体制の必要性


株式上場とプロマーケットの違い

株式上場とプロマーケットの最も大きな違いは、対象となる投資家層と上場基準です。
株式上場は一般投資家も参加できる市場であり、そのため上場基準が厳しく、経営の透明性や財務の健全性が強く求められます。
一方、プロマーケットはプロの投資家に限定されており、上場基準が柔軟であることから、成長段階にある企業や中小企業にとっては資金調達の選択肢として魅力的です。

また、株式上場後の報告義務やガバナンスに関しても、通常の市場では厳格な規制が設けられていますが、プロマーケットでは一定の簡素化が図られている点が異なります。
プロの投資家はリスクを取ることができるため、成長期待のある企業に対して柔軟に資金を提供することができる反面、流動性が低い市場であるため、株式売買の機会が限られる可能性もあります。

まとめ

株式上場とプロマーケットは、どちらも企業にとって資金調達の手段として有力な選択肢ですが、それぞれの特徴やメリット、デメリットを理解することが重要です。
株式上場は、広範な投資家層を対象とし、厳しい基準をクリアすることで企業の信頼性を高め、事業拡大を図ることができます。
ただしサントリーのように有名企業でも上場を行っていない企業もありますので一概に上場しなければならないというわけでもありません。
一方、プロマーケットは、上場基準が柔軟で、成長段階にある企業や中小企業がプロフェッショナルな投資家から資金を調達しやすい環境を提供します。
企業の成長フェーズや資金ニーズに応じて、どちらの市場が適しているかを慎重に検討することが求められますが、上場が目的となり不必要な出費により会社を傾けた事例も多々あります。
上場には多くの資金とリソースの投入が必要となるため、会社にとって必要かどうかは事前にしっかり吟味することが重要です。


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