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12月18日 ソニーの360度どこから見られるディスプレイが凄い!

 Itmedia NEWSの記事から勝手に紹介。ソニーが開発した360度どこからでも眺められる3Dディスプレイ。
 発表されたのは12月3~6日に開催されたコンピューターグラフィックスに関する国際会議「SIGGRAPH Asia 2024」。ここでソニーは「360度ライトフィールドディスプレイ」を発表した。

 原理はさほど複雑ではない。機械の下部にDLPプロジェクターが上向きに取り付けられていて、天井部には鏡が取り付けられている。プロジェクターが光を照射し、鏡で反射し、光が強く当たったところにくっきりした像が浮かび上がる。
 単純な構造だが、HOE(Holographic Optical Element)スクリーンを3600rpm(毎秒60回転)させて、DLPプロジェクターを2万1600Hzのリフレッシュレートで投影されている。
 結構な力技で空間3Dを見せているわけだが、見ての通りまだ解像度が低いし、向こう側が透けて見えてしまう。サイズも直径15センチ×縦18センチと小さい。
 面白い技術だが、大型化するとたぶん光が分散しすぎてダメ……って感じかな。それにこの小サイズでも民生品として出せる値段になるかどうかわからない。3Dホログラムは期待の技術だけど、SF映画で見るような画面にはなかなか至らない。

 もう一個、ソニーの面白い3D技術。

 こっちは全周囲で見せるのは無茶があるから、せめて正面からだけでも3D立体が見えるようにしましょう……というモニター。こっちのほうが像がくっきりしていて、光の当たり方が良ければ、3Dキャラクターがテーブルの上に立っているかのように見える。
 記事内容はちょっと意地悪で、「面白い技術だけど、民生品利用できるの~」と言っている。

 問題はそこで、面白い技術があっても、広まらなければその分野は成長しない。
 まずハードが200万~300万台売れること。買ってもらったらそれでお終い……ではなく、毎日その機械を動かしてもらわねばならない。それくらいのコンテンツ消費があれば、会社も投資し、会社が投資すればコンテンツが作られるから、ユーザーがコンテンツを消費し続けるサイクルに入っていく。しかしこれがうまくいった事例は、過去にもほとんどない。

 ソニーの強味はゲーム機やスマートフォンも作っていること。なんなら、3Dディスプレイを作り、PS5を買えば裸眼立体3Dで遊べますよ、スマートフォン(あるいはカメラ)で誰でも3D映像が作れますよ……という売り出し方もできる。
 そうはいってもソニーは巨大なんで、そこまで横方向の連携を取った例もないんだけど。外から見れば「そういうのやればいいのにね」とか思うんだけど。ソニーはゲームと映画という、強力なコンテンツを作る力はあるのだけど、こういうときに連携が取れない。
(そういう連携の取り方……でいえばAppleのほうがうまくやっている)

 オモシロ技術ではあるけど、「安価で売る」「コンテンツを出し続ける」というサイクルを作れないなら、展示会だけの技術で終わっちゃうかな……。
 ソニーは定期的にオモシロガジェットを作ってくれるんだけど、それが息の長いヒット商品に繋がらないのが惜しい。でもソニーくらいの大きな企業でないとこんな実験的なガジェットも作れないから、期待したい。


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とらつぐみ
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