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ゲーム感想 バイオハザード1

この記事はノートから書き起こされたものです。詳しい事情は→この8か月間に起きたこと。

 ゲームの話に入る前に、まず販売方法の話から。
 最初にswitch版『バイオハザード0&1』を購入した時、箱を開けると『バイオハザード0』のソフトのみ。「あれ? バイオハザード1は? 入れ忘れか?」と思ったが、ソフト1本分の空きスペースしかない。なんだこれ?
 付属している広告をよく見ると、ダウンロード番号が……。あっぶねえ! 気付かず捨てるところだった(まあ、広告は残しておくタイプだけどね。でもうっかり勘違いして捨てる人いるはずだよ)。
 こういう販売方法ってどうなんだろうな。中古対策、あるいはカートリッジぶんの予算節約かもしれないけど、どこかでクレームが入りそう。中古で買ったら、『バイオハザード1』は手に入らないわけだし。それも期限付き。2021年まで、と結構な期間があるけど、知らずにその後に買っちゃったらどうなるんだろう。カプコン側としてはそれまでに出荷を止めればいいだけかもしれないが、知らずに店に置き続けるところもきっとあるだろうし。
 早いところ大容量カートリッジを出して、1枚のゲームカードに2作分入るようにしてほしいものです。聞くところによると、容量2倍のカートリッジはもう完成しているとかなんとか。早く商品に反映してほしい。

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 さて、初代『バイオハザード』であるが……本編の話に入る前に、どうしても済ませておかなければならない大事な懸案がある。
 このゲームを始める場合、まずジルを主人公に選ぶべきである。なぜか? それはオッパイだ。ジルのオッパイ、ことあるごとに揺れる! 弾む! 銃を構える→下ろすの動作でもオッパイが縦に揺れる。階段を上り下りするときもたゆんたゆん。走る動作の時はわかりづらくなるが、歩いているときでも確実に揺れている。そこだけ明らかに重力感が違う、というくらいに揺れる。
 もうコーエーテクモかっていうくらいのオッパイの揺れ。うん。悪くない。このオッパイ揺れがあるから、このゲームを始める場合は、ジルからプレイすることをお勧めする。どんなに厳しい局面がきても、オッパイの揺れに励まされ、活力を取り戻し、続けていこうという気になるはずだ。
 ただ、ジルのファッションが変。ベレー帽に肩パッドって……。なんだよその格好。何のコスプレだ? 世紀末か? 当時、これが格好よかったのか?
 と思ってたら、現代的な衣装にチェンジできることがわかった。もちろん、衣装チェンジしてもオッパイの揺れは変わらない。変わらない揺れが表現される。
 ただ衣装チェンジした場合、イベントムービーシーンで帽子が邪魔で目線が隠れてしまうところがちらちらある。どうもこちらの衣装での想定で作られてなかったみたいだ。

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 次にお屋敷の中を見てみよう。
 玄関扉を潜り抜けると、階段広間になっている。2階廊下が手前に張り出していて、階段がその奥に引っ込む形になっている。ちょっと面白い形だ。
 広間左側が食堂。非常に広い空間で、吹き抜け構造。2階はバルコニーに繋がっている。構造、食堂ともに解放感と優雅さが出ている。“お屋敷”というより、あたかも“宮殿”のような重厚感がある。
 ただし、お屋敷っぽい構造をもっているのはここまで。それ以外のところは基本的にからくり屋敷。
 この広さなのに、廊下は各部屋に繋がっておらず、書斎は奥に入り込んでいて日光が届かない構造。広い食堂はあるが、厨房はなんと地下、と不便すぎる構造。それに寝室にあたる部屋が見つからない。ベッドのある部屋はいくつかあるのだけど、どれも狭すぎて低家賃アパートの個室みたい。正面玄関、食堂の豪奢さと比較すると、釣り合いが取れない。
 部屋ごとの意匠、連なり方もでたらめで、後付けで増築したのか、図面を作った後、目をつむってシャッフルしたのかというくらいぐちゃぐちゃ。
 といっても、まさにからくり迷路屋敷がコンセプトだから、そこを突っ込んじゃうとダメ。あくまでもゲームだから。
 ……とはいっても、やっていると「なんでここの廊下繋がってないんだ?」と妙な引っ掛かりを感じてしまう。建築の話は気になるなぁ……。

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 ストーリーは……。
 『バイオハザード0』で先行したチームが行方不明になり、クリス&ジルのアルファチームが出動することになる。
 それで、なんやかんやがあって、森の中のぽつんと一軒家であるこのからくり迷路屋敷にたどり着く……というのがあらすじだ。

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 PS初代版『バイオハザード』ではこのあらすじが実写ムービーで描かれていたが、ショボかったんだよな……。予算ギリギリで、何とか作ったんだろうなぁ、という感じの自主映画まるだしのムービー。当時はあれが限界だったんだ。
 お屋敷に入ってしばらく進むと、ゲーム史上もっとも有名なカットの一つである、ゾンビの振り向きがある。
 当時はレンダリングムービーのレベルも低く、「なんじゃこりゃ」でしかなかった。この段階で私はゲームについていけず、そっ閉じ。以降、バイオハザードシリーズをほとんどやらなかった……というのが私のストーリー。
 あれから十数年経ち、再びあのゾンビの振り向きを見るが……やっぱり「なんじゃこりゃ」だった。
 ムービーの質・映像技術問題ではなく、シーンそのものがホラーになっていない。その前段階で、予兆として起きていることを想像させなければならない、ドキドキさせてそのとどめとしてショックシーンを描かなければならない。それが何もなく、いきなりポンとゾンビ登場シーンだけが出てくる。
 これは駄目なホラー演出のお手本。ゾンビ描写がいくら向上しても(リアルになっても)、この描き方では誰も怖いと思わせることはできない。ゾンビさえ出ていればホラーになるというわけではない。ホラーの中にゾンビを登場させねばならない。そのように演出が練られていないから、これじゃどうやっても怖がれない。

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 ゲームの内容に入っていくが、まず困ったのが『バイオハザード0』との操作の違い。『バイオハザード0』ではLで銃を構えてAで撃つ、だったが、『初代バイオハザード』ではLで構えてRで撃つ。些細な違いだが、『バイオハザード0』『初代バイオハザード』続けてプレイすると、この些細な違いが引っ掛かってしまう。
 また『バイオハザード0』ではXでキャラクターチェンジだったが、『初代バイオハザード』ではXはメニュー画面。やっぱり些細な操作の差だが、引っ掛かってしまう。
 『バイオハザード0&1』同時収録ということは、プレイヤーはこの2作を続けて遊ぶはずだから、基本的な操作は一致させて、その周辺のところで違いを付けるように調整してほしかった。

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 『バイオハザード0』の時にも書いたカメラワーク問題。こちらのゲームも、頻繁にカメラ位置がイマジナリィラインを越えて逆転する。カメラが逆位置になった瞬間、操作感覚が逆になる。カメラ位置が逆になる地点で、何度も行ったり来たりをしてしまう。『バイオハザード0』で引っかかったところを、こちらでも繰り返してしまう。
 忌々しいことに、このカメラが逆位置になる境界に、狙ったかのようにゾンビが配置されていることが多かった。作り手も「あそこでプレイヤーは操作がまごつくぞ」と分かったうえで配置している。
 やっているとだんだん察してきて、「あの境界にゾンビがいるな」と気づきつつも、おびき出すために進まねばならず、進んだ瞬間カメラが反転して……という事態に直面。ゾンビの声を聴くたびに、ホラー的にぞっとするのではなく(そもそもこのゲームにホラー的怖さはない)、ゲームの構造に対してイライラさせられる。これがだんだん作り手への怒りに変わってくる。

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 基本的にはからくり屋敷脱出のために、様々仕掛けを解いていくアドベンチャーゲーム。玄関扉を開けて出ようとすると、ゾンビワンワンが入ってきてしまうので、正面からは出られない。入ったはいいが出られず、出るには屋敷の謎を解かねばならない。脱出ゲームでもある。
 制約として、アイテムストレージが極めて小さく設定されている。何度もセーフルームを往復せねばならなかった。これを鮮やかにクリアしようと思ったら、「解き方」を知っている前提になっており、果たしてゲームとしてどうなのだろうか、と思わされた。何度もセーフルームを往復して、アイテムを手に入れたらアイテムボックスに預けに行き、必要アイテムが何かわかったらまたセーフルームへ取りに行き……という作業の繰り返し。
 「謎解き」を楽しんでいる感覚がなく、えんえん往復。往復だけで時間が消費されていく。ストレスばかりが溜まっていく(その過程でたまにゾンビが復活しているし……銃弾リソースもじわじわと削られていく)。
 その謎解きも『ゼルダ』シリーズのような納得感があるわけでもなく。例えば宝石箱に赤い宝石を鍵の代わりに当てはめる謎解き……あれは納得がいかない。絵を見て箱と宝石が当てはまりそうなスケール感で描かれていない。あれは解けたものの納得がいかない瞬間だった。

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 『バイオハザード0&1』の2作を続けて遊んでみて、まずアクションゲームとしてどうなんだろう……という気がした。ゾンビの掴み間合いがわからないし、見づらいし、攻撃した時も効果があるのかいまいちわかりづらい。効果が大きいときは、そのぶん絵としてのけぞりを大きくするとか、工夫の仕様があったのではないか。
 ボス戦の時も攻撃が効いているのかどうかがわかりづらいし(ちゃんと当たっているかどうかもよくわからない)、撃破したらその瞬間、画面が暗転する。アクションゲームらしい手ごたえがまったくない。ボスを倒した時の「やった!」という、ストレスから解放される気持ちよさがない。
 アドベンチャーとしても上に書いたように「これはどうなのかな」と疑問に感じるところがたくさんあった。謎を解いても気持ちがスッキリしない。一方では簡単すぎ、一方では「解けたのか?」と疑心暗鬼になる。このバランス感もぐちゃぐちゃ。
 総合的にゲームとしてどうなのかな……という疑問が残る作品。3Dで初めてゾンビを登場させた、という歴史的な一面を除けば、アクションゲームとしてもアドベンチャーゲームとしても平凡どころか、それ以下。ゾンビを登場させた、という一点で歴史的価値を押し上げているが、その周辺を見るとさほどクオリティが高いわけではない、というのが実際だった。

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 クリス編でスタートすると『バイオハザード0』の主人公レベッカが登場する。相変わらず可愛い。時系列は『バイオハザード0』の後だと思うが、どういうストーリーなのだろう? 『バイオハザード0』で生還した後、同じ森をずっと彷徨っていて、すると別のからくり屋敷に迷い込んだところでたまたまクリスに出会った……ということだろうか。だとしたらレベッカも難儀な子だ(するとこの森にはいったいいくつ屋敷があるんだろう?)。
 にしても、何だろう、この変な衣装。クリスもコスチューム2でスタートすると、レベッカがちょっと変な衣装になってしまう。もうちょっと他にデザインはなかったのだろうか。全体でイメージが統一されていない。

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 レベッカについてだが、『バイオハザード0』ではさっぱりだったピアノが『バイオハザード1』で弾けるようになっていた。短時間で上達したのか。
 あと、どうしても作り手はレベッカとマッチョを組み合わせたいみたいだね。そこは突っ込まない。

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 絵画が一杯飾られている階段。上段真ん中の絵は、レンブラントの『川で水浴するヘンドリッキェ』だ。その下に見えるのはカラヴァッジオのキリストっぽく見えるが……ちょっと確信が持てない。
 もしかすると、屋敷中に飾られている絵画には何かしらの元ネタがあるかもしれない。そう思って絵画に注意して見てみると、同じ絵が何点かあるのに気付く。どうやら複製品のようだ。
 時間がないから検証しなかったが、絵画の元ネタを考えながら探索してみると、より屋敷めぐりが楽しめるようになるかもしれない。


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