6月5日 職場の人たちを女体化する遊び
職場に、よく寝る人がいる。作業中にも寝るし、移動中にも寝るし、おしっこしている最中にも寝る(あー壁に、壁におしっこがー)。
これがいわゆる「眠り病」と呼ばれるやつなのかどうかは知らない。とにかく1秒でも間が開くともう寝ている。
(寝落ちする瞬間、よく見ていると白目を剥くので、気絶している可能性もちょっとあり)<br/> 眠り病なんてフィクションの世界ではだいたい美少女に決まっているので、彼は美少女である。“彼”ではない、“彼女”は美少女である。
作業中、体からコードがはみ出ているおじさんがいる。あれは絶対にロボットだ。ロボットに違いない。私の勘は良く当たるんだ。動きもロボットっぽいからあれは絶対にロボだ。異論があるなら直接聞こう。
(本当を言うと、体からはみ出ているコードは、静電気回避のためのアース)
人間社会に溶け込んで活動しているロボット……といえば美少女に決まっている。美少女だ。『ToHeart』のマルチなどを見てわかるように、ロボットといえば美少女だ。手塚治虫先生も聞けば笑顔で納得してくれるはずだ。
そういうわけであのおじさんは、私の脳内では美少女ロボットである。
いつも「FBI」の帽子を被って仕事をしているおっちゃんがいる。私はかなりの強い確信を持って、彼はFBIからの潜入捜査で来ているのだと信じている。「潜入捜査なのに身元を明かすような帽子を被っているのか?」……問題ない。まさか潜入捜査で入ってきている捜査官が、FBIの帽子を被っているとは潜入される側も思わないはずだからだ。むしろFBIの帽子を被っているからこそ、「いや、まさかそんなわけないだろう」という認識を生むのだ。私は勘がいいから「彼はFBIなのでは?」と察したが、私以外に気付いている人は今のところいない。
潜入捜査でやってきている……そんな人はフィクションの世界では絶対美女である。金髪の美女である。セクシー美女に決まっている。だからあのおっちゃんは私の脳内で金髪巨乳美女ということになっている。
ただ、未だに何の捜査でこの工場に潜入しているのかがわからない。
いつも赤い服を着て仕事をしているおじいちゃんがいる。なんとなく動きが面白いので、私の脳内では美少女だ。動きが面白い人なんて、そりゃ美少女に決まっている。美少女でなければなんなんだ。
社員のニイちゃんがいるのだが、彼は体が細く、声も女声で、力を入れるとき「ぅんしょ!」ととても可愛い声と動きをする。もう男の娘として仕上がっている。彼は女ではないが男の娘だ。これは確定である。顔も整って綺麗だし、普通に女物を格好させて、簡単なメイクをするだけで女に化けられるはずだ。
と、仕事場にいるおっさんたちを女体化する遊びを私の脳内でやっているのだけど、でもおっさんはおっさんである。いくらがんばってフィルターをかけても、おっさんを美少女として見なすのはかなり無理があった。遊びでおっさん女体化とかやってみたけど、だいぶ無理のある遊びだった。
なんでこんな奇妙な遊びをしているかというと、仕事中あまりにも鬱屈しているので、何かしら気張らしをしたい気分になるからだ。
この遊びの他にも、積み荷を無用に美しく整列させたり、縛る紐も同じ方向に整列させたり、使用済みの書類で巻物を作るなど……全くの無意味な遊びを仕事の中に取り入れている(すぐにバラしてトラックに積み込むので、本当に無意味)(巻物を作る理由は、もちろんすぐにでも忍者ごっこができるようにするためだ……なぜか誰も忍者ごっこをしない)。
何の意味があるのか、と問われると遊びだから意味があるとかないとかそういうのは関係ない。あくまで仕事中に誰にも気付かれないようにこっそりやる遊びで、遊びであることを誰かに悟られることすら駄目というルールでやっているわけだから。仕事がきついしやってらんねーやみたいな気分があるからこそ、こっそり遊ぶのだ。
仕事なんてものは、半分遊びでやるくらいでいいんだ。(←ここ! ここだけ切り貼りすれば炎上させられる。一応解説すると、「どんな仕事でも楽しみを見つけてやったほうが気分は楽」よ、って意味だからね)
……おっさん女体化遊びはあんまり面白くもなかったけど。
(一応念のために注意しておくと、私は職場の人を本気で「あの人はロボットに違いない」「あの人はFBIの潜入捜査に違いない」と思っているわけではない。そう思った方が面白いから……という遊びでやっている)