メイドインアビス第2期 第3話の度し難感想 イルブル……そこは呪われた楽園
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今季注目の“度し難”系アニメ第3話。今回も感想文を書いていくぞー!
あまりいい絵ではない……というか手抜き作画だけど、この気の抜けた感じがちょっといいなぁ……。
成れ果て村の住人たち。第5層の祭祀場で生成した成れ果てとは、また少し雰囲気が違う。
私の考えだが、成れ果てには「成功」と「失敗」があるんじゃないか。ナナチはもちろん「SSSR級大成功」。でもナナチほど綺麗な成れ果てになれるのは、どうやら本当に稀な話なのだろう。
成れ果ては、元になっている人間が抱いている「欲望」によって形が決まるとされる。たぶん、その欲望の形が定まってなかったり半端だったりすると、半端な姿で成形されてしまうのだろう。いっそ、連続快楽殺人犯くらい振り切っていたほうが、パシッと決まった形になるんじゃないか。
欲望とは、自分が何者かをしっかり知っていること、またその相手がどんな人間かを知っていること。漠然と生きている人間が第6層の呪いを浴びると、なんだかわからない怪物ができあがってしまうのだろう。
一方のナナチは、一緒にポッドに放り込まれたミーティの愛情があの形を作った。「欲望」すなわち「想いの強さ」があれば、理性や知性をしっかり残したまま、むしろ人間の時よりも能力が高く、しかも美しい“成れ果て”になることができる……。「愛情」とは、その相手がどんな人間か、しっかり認識しているということでもあるから……。
もう一つ気になるのは、ここにいる人達って、年齢はどれくらいなのだろうか? やはり成れ果てになった瞬間、不老不死になるのだろうか……。成れ果て村の人たちが結婚して、子供を作っている……なんて様子は想像できない。
気になるのは成れ果て村の風景。道がずーっと作られて、住人達の家が作られている……。しかし、どの場所にも“継ぎ目”がない。模様がすべて繋がっている。
ということは、ここは一個の巨大な鉱物であり、その外周や中をくりぬいて作った村だ、と推測できる。いったい誰が、どれくらいの時間をかけて作ったのか、わからんけど……。
こんなふうにマーブル状になる鉱物といえば、現実世界では大理石(大理石って英語でマーブルって言うんだって)。マーブル状になるのは成型の過程で別の鉱物がグググ~ッと入り込んだからだね。
でもこんな地底深いところにある一切の条理が通用しない場所にある石が、私たちの知っている鉱物と同じだとは思えない。
石細工職人の部屋に飾られている白笛。結構あるなぁ……。あんな地獄のような体験をしてきた人たちが、これだけいるのか……。
やはり成れ果て村は“最近できた場所”ではなく、結構な歴史があって、ここまで到達してきた白笛たちを受け入れてきたのだろう。ここは“帰還不能”の場所。人間のままでの生存を諦めて、成れ果てになることを受け入れていった人たちがこれだけいたのだ。
露店。ここにも探掘家が残していったものが置かれている。もしかしたら、この村にやって来て、成れ果てになってしまったために不要になったものを置いているのかも知れない。
それにしてもラストダイブした探掘家って、思いのほかたくさんいたんだな……。
ところでマジカジャさんの動き。角に付いている紐の動きが物理計算のものじゃない。たぶん手付けで動かしているんじゃないかな。
成れ果て村の通貨。ここでもあのサインが……。
ふと思ったけど、コインに人を象ったサインがあるってことは、「人1人分の価値」って意味じゃないかな。
ゾロゾロと集まってくる成れ果てたち……。
リコと向き合っている成れ果て、頭の形が……HRギーガーのイラストみたいで格好いいね!
やっぱり祭祀場で生成した成れ果てと、ここで成れ果てになることを受け入れた人たちとは少し違うみたい。ここで成れ果てになれば、“村の守り”を受けられる……という話だが。
清算を受けるマアア。
この村は地上での常識観は一切通用しない。人によって“価値観”がまったく違う世界。人によっては、それこそ“切り刻む”ことが価値の人もいて、そういう人も受け入れられている世界。だから価値が定まっていないものは、手に取って好きなように潰しても構わない……という理屈にもなる。
それでマアアはメイニャを手に取り、プチッと潰してしまう。しかしリコが「とても大事なもの」と宣言し、価値が明らかになった途端、価値あるものを奪い取って潰そうとしたマアアに清算が下る。
成れ果て村では人によって価値基準がまるっきり違う。すでに人ですらないから、“共有できる価値観”がない。そんな世界で秩序を作っていこうとすると、こういう物騒な仕組みが必要になってしまう。でも逆に、それが価値あるもの、という明示をきちんと行っていれば、誰かに侵害されない安全も保障されているともいえて……。
キィィィ!
ナナチ、耳じゃなくて頭を押さえている?
お宿があるってことは、外部の人が尋ねてくる可能性があるってことで……。それは探掘家以外にあり得ず……。
本当に人がごく稀にしか来ないんだったら、お宿は必要ない。でもお宿があって、商売として成立しているってことは、それなりに探掘家は来ていた……ということでもある。
さあ寝床にやってきた。まずチェックするのがトイレ。トイレでの災難はポルナレフの役だ……あっ、ポルナレフって誰かわかんないか。別に気にしなくても良いよ。
それにしてもこのトイレ……。ウンコ💩をくみ取ったり流したりするんじゃなくて、これは何かしらの生き物で、ウンコを吸収するんだろうなぁ……。
後でわかったことです。この便器も成れ果て……つまり元人間。
「ああ~~便器になりたい~!」
と願って呪いを浴びた結果、便器になったそうだ。……いったいどんな欲望だ。
お腹を壊して、トイレと寄り添うリコさん。第1話以来、2回目のウンコ💩。よくウンコ💩をするヒロインだなぁ。シリーズ終了まで、なんかいウンチするだろう。『銀魂』の神楽と張り合えるかも知れない。
孤児院にいた頃もリコはよくお腹を壊していたという。お腹が弱いのか……それとも拾い食い? いや、まさか。アニメのヒロインが拾い食いだなんて。
ウンチ💩の側に寝そべるリコさん。
そして腋を見せるリコさん。ウンチ💩の側で寝そべって腋を見せる美少女って需要あるかな……?
後ろに壁、すでに何かされている様子。
出現したのは、ロボットかサイボーグか……。なんで左手から煙を噴いているのか……。この辺りの謎は、次回明らかになる。
そうそう、なんでこの物語の人たちは「ロボット」という言葉を知っていたんだろうか? 第1期の頃から、気になっていたんだが……。
私たちの世界では、「ロボット」という言葉が生まれたのは1920年にカレル・チャペックが発表した『ロッサム 万能ロボット商会』という作品。まだ産業革命の時代にも入っていないリコ達がどうして「ロボット」という言葉を知っていたのか……。
仮説はリコ達の文明の前にも、もう一つ高度に発達した文明があって、そこから言葉だけが残った……という説。アビス文明も相当高度な文明だったし、それが実はもっと世界中に広がっていて、そういうものがリコ達の文明の前にあったのかも知れない。
もう一つの説は、「ロボット」という言葉はあったかも知れない。というのも、古くからの伝承で「ゴーレム」というものがあって、カレル・チャペックも最初は「ロボット」ではなく「ゴーレム」のようなキャラクターを……ということで考えていた、という話がある。言葉が「ロボット」と「ゴーレム」が入れ替わっていただけで、リコ達は伝承で語られるゴーレムのようなもの……というつもりで言っていたのかも知れない。
さて、この辺りの設定はどうなっているのだろうか……。
過去のお話。ガンジャ隊は第6層までやってきて、誰かの歓迎を受ける。歓迎したのは成れ果てではなく、どうやらロボットのよう。果たして一体どういうことなのか……。
次回
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