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52ヘルツのクジラたち/町田そのこ

みなさんは伊藤詩織さんという方を知っていますか?

私はこの書籍を読み進めていくうちに伊藤さんのことを思い出しました。

伊藤さんは日本のme-too運動の先駆けになった人物で2020年には米誌タイムで『世界で最も影響力のある100人』に選ばれています。

me-too運動とは?

「私も。」を意味するme-too。

今まで沈黙とされてきた問題を多くの人に公表することで、世の中を変えていこうとする動きから生まれました。その問題とは性的被害です。

セクハラや性的暴行を受けてきた人達がSNSを通して被害を告白しているのです。

me-too運動のきっかけとは?

アメリカで活躍する歌手・女優のアリッサ・ミラノさんのこのツイートがきっかけになりました。

「セクハラや暴力を受けた場合は、このツイートへの返信として『me-too』と書いてください。」「友人の提案。セクハラや性的暴力を受けた全ての女性が、『me-too』と投稿すれば、人々にこの問題の深刻さを知ってもらえるもかしれない」

このツイートで「この問題は女性だけではない」という声もあがり、男性やLGBTQ +の人々からの告白も多く見られるようになりました。



52

ヘルツのクジラたち

伊藤詩織さんやアリッサ・ミラノさんが声をあげたことでこれまでに52ヘルツのように聴くことができなかった声に耳を傾ける人達が現れました。

それは私たちです。


誰かが声を上げたことで私たちが聴くことができるきっかけとなりました。

おそらく、1人だけが声を上げても52ヘルツの声は聞こえないし、どんなに叫び続けても周りには聴こえずに暗い海の中で1人で泣き続けることしかできなかったかもしれません。

この書籍はネグレクト・DV・トランスジェンダー等の様々問題が取り組まれた作品でした。

正直、読み進めていくと心が痛み、締め付けられる場面もあって私は面白い作品だと言っている人に疑問を持ちました。

それだけ幼い頃から恵まれた環境で育ててくれ、今日まで私を大事に育ててくれた両親に感謝の気持ちを覚えました。

自分が当たり前だと感じていた環境は実は当たり前ではなかったことにも気付かされました。


本屋大賞受賞作だからとかではなく、純粋にこの作品が多くの人の手に渡りますように。

そして、この本を読んだ方で少しでも人に対して優しく出来ますように。

この記事で最後まで読んでくれてありがとうございます。

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