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写真日記/顔

 「顔」というのは不思議なものだと良く思う。整っているか、美しいかというだけの話ではなく。何と言うか、その人の生きてきた道のようなものが刻まれていると感じる。

 刻まれていると言っても、しわや傷のことではなくて。その人が普段から何を考えて、何を話しているか。どんなことをしているか。そういうものが少しずつ積み重なって、顔という地形を形作っていると思う。

 どんなに立派な上物(うわもの)を建てようと、元が湿地では安定しないように。どんなに表面的に取り繕うとも、人間性みたいなものは隠せない。残酷な現実。だから僕は、あまり鏡を見たいと思わない。

* 

紅葉。
一礼。
パブロフの鯉。
百日草。
猫。日陰の猫。
猫。牛みたいな猫。…ごめんて。
カモ。口を開けたカモ。
キダチダリア。ダリアは見応えがある。
眉間に刻まれたしわ。きっとボス猫だろう。知らんけど。

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