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北の達人のマーケティング思考を改めて学んだ件について ~ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング~

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こんにちは!虎の穴ラボでWebマーケターをしております下野です。
今回は「ファンダメンタルズ×テクニカルマーケティング」という本の概要を紹介したいと思います。

何故この本を読んだか

今回紹介する本を読んだ理由は大きく2つあります。
(特に①の要素が強いですが)

①EC業界で有名な「北の達人の社長」が執筆した本だから
②閲覧当時、Amazonランキングの上位にあったため

ファンダメンタルズマーケティングとは何か?

本書のタイトルにもなっているフレーズですが、このように記されていました。

【ファンダメンタルズマーケティング】
商品そのものやユーザーのペルソナ、インサイト(人間の感情)を分析してコミュニケーションを設計する

【テクニカルマーケティング】
広告のクリック率や購入率などのデジタルデータを分析してコミュニケーションを設計する

ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング
序章「はじめに」より

なるほど、商品の設計やユーザーインサイトなど本質から掘り下げてマーケティングすることを「ファンダメンタルズマーケティング」と呼称しているようですね。

何故ファンダメンタルズマーケティングが必要なのか?

個人的にマーケティングをする際は本書で言う「ファンダメンタルズ領域」をするのはともて好きですね。(何せ考えていて楽しいですから!)
また、本書では「ファンダメンタルズ領域」の重要性についてABテストを用いて説いていました。

例えばABテストを行った結果、マーケティングの基礎知識が無い人がやると「A、B、CでテストをしたらAが一番よかったのでAが正解」とあまりに単純に判断してしまうケースが多い。

そもそもマーケティングはなぜAが最もいいのか、AとBとCという選択肢以外にXやYやZという選択肢はないのかといったあらゆる可能性を検討、分析して手を打つことである。

ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング 
第0部-2「行き当たりばったりのABテストの弊害」より

確かによく見かけるパターンでもありますね。ABテストをして結果を得るだけの者は「デジタルオペレーター」であり、AB-Xテストまでしてこそ「Webマーケター」であるとも本書では紹介していました。

ファンダメンタルズマーケティングについて掘り下げる

ここからはファンダメンタルズマーケティングについて順を追って詳しく見ていきましょう。

①前提として「ユーザー、競合、商品」について下調べをして、特徴などをしっかりとリサーチしておく
②続いて、「誰に」×「何を」×「どう」伝えるかを意識する

文字としてはもちろん理解できますが、具体例があった方がイメージしやすいですよね。本書で取り扱われていた例を使って説明していきます。

「誰に」伝えるか

「誰に」とはもちろんターゲットユーザーのことですね。
男女やその当時置かれている境遇、ニーズによってユーザーを分類し、アピールポイントを変えていくことが必要だと本書で述べています。

【ユーザーニーズの9段階分解】
1.対策の必要性に気づいていない
2.対策の必要性に気づいてはいるが「悩みや痛みは一時的なもの」だと思っている
3.対策の必要性を自覚しているし、悩みや痛みは一時的ではないと思っているが、何も手を打っていない(探してもいない)
4.対策を色々検討し始めている
5.対策を色々検討してかなり詳しい状態
6.対策の手を打ち始めた(何らかの商品を買った)
7.既にお気に入りの対策のための商品があり、満足している
8.お気に入りの商品はあるが、「他にもっと良いものはないか」と思っている
9.色々使ったが結局満足するものはなかった

ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング
第1部 第3章-16「ユーザーニーズの9段階分類」より

薄毛治療というものを訴求する際はユーザーのニーズの一例をあげると下記の通りになります。

1.対策の必要性に気づいていない
状況:そもそも抜け毛が起きていない
ニーズを刺激する方法:30代男性の80%が隠れ薄毛?その予兆、放置すると大変なことになるかも…

9.色々使ったが結局満足するものはなかった
状況:色々試したが、効果が無かったのであきらめかけている
ニーズを刺激する方法:NASAと共同開発のニューボーンDNAが世界のAGA治療を変える

なるほど、その時に置かれているユーザーの心理状況にフォーカスして訴求文章をカスタマイズするということですね。

「何を」伝える

「誰に」が決まれば次は「何を」伝えるか考えるフェーズですね。
「何を」という部分は売り出したい商品やサービスだけが持っている強みを伝えるのが一番です。

USP(Unique Selling Proposition)と呼ばれる部分ですね。
ここがもし見つからない場合は、商品やサービスの設計から見直したほうが良いかもしれません。

「どう」伝える

「誰に」「何を」が決まれば、「どう」伝えるかの局面です。
どんなにいい内容であってもターゲットユーザーが「話を聞いてくれない」のではどうしようもありませんよね。

面白い例として、吉本興業の小藪千豊さんのすべらない話を参考にした方法がありました。

「思い返しても腹立つことってあんまりないよなって話なんですけど」
「そんな声出るん?って話なんですけど」
「人間っちゅうのは何とも言えん顔をする時があるな~っていう話なんですけど」

ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング
第1部 第5章-24「吉本の小藪さん方式で伝える」より

自分もTVを見ているときに思わずチャンネルを変えずに聞いてしまうな~と思ったので共感できた話し方です。この手法を訴求文章に取り込もうという考え方ですね。

「このメールを読んでいただければ、なぜ私たちがわざわざこの非効率な商品を作ったのかをご納得いただけるかと思います」

「もしかしたら、あなたはこのメールを途中から涙で読めなくなってしまうかもしれません」

「私たちはこの商品に出会い、幼いころに心に誓ったことを思い出しました」

ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング
第1部 第5章-24「吉本の小藪さん方式で伝える」より

情報が溢れている現代、冒頭の文章を少ししか読まれないケースも多いですが、芸人さんで言う「つかみ」の部分を工夫することでユーザーさんに「すべらない話」を聞いてもらうことが有効ということですね。

一流のWebマーケターとは

本書ではマーケターを下記の通り定義しています。

「データ」から「人間の行動パターン」を見つけ、そのパターンの背景を理解し、販促につなげることが本当のマーケティングだ。

ファンダメンタルズ×テクニカル マーケティング
第2部 第3章「テクニカル運用の本質」より

これは得られたデータを鵜呑みにせず、その数字がどのような因果関係から発生した数字なのかという背景情報まで深堀出来る人材こそマーケターであるということです。

例としては、広告を改良して会員獲得のCPAが改善した場合に「改善できたからよし!」で終わるのがデジタルオペレーター。
CPAが改善した背景を分析して、さらにCPAを改善できないか?と考えるものこそマーケターであるということです。

あくまで「データ」は結果のみを示すものであり、その背景や因果関係までは示してくれません。
そこから人間の感情や因果関係などを組み合わせて「データ分析」ができるのです。

本書では「真のデータ読解力」を身に着けたものこそマーケターであると定義していました。

おわりに

本書を通しての感想

ブログで伝えた内容は数ある手法の一部ですが、改めて考えさせられる内容も多くありました。

また、その他にも面白い手法や考え方が多く掲載されていたのでマーケティングに携わっている方は是非一度読んでみてはいかがでしょうか?

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