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心のモラトリアム

11月下旬の夜
秋から冬のモラトリアムは
心に曖昧な時間を生んだ

何も進んでいないけど
街の空気に溶け込むような

のんびりと過ごしているけど
いつまでもここに居たくない

時間と時間の中間地点
時刻はそろそろ20時3分
深夜にもならない 夜には深い
僕はカフェに一人で居た

コートすらいらない気温は
汗をかく程の熱もない

イルミネーションは少しだけ居づらそう

カフェでコーヒーを選ぶ
ホットかアイスか

アイスコーヒーを選んだのは
名残りで選んでみただけだ

コクリと飲んでみるけれど
後悔するのか 丁度いいのか
何度かそれを繰り返した

テントに灯る黄色電球
辺りをぽんやり照らす

ひとつ ひとつ 
数えるように灯るランプ
中間地点を印象付ける

アイスコーヒーの香りは
秋の空気とよく混じり
ぼんやりとする頭の中に
ぼんやりと光が灯りだす

輪郭の無い暗がりに
感性が見出されてく

それから僕は
漂う人を辞めて
考える人になった

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