エゴン・シーレ展に行ってきた
先週末、母と姉とエゴン・シーレ展に行ってきた。
エゴン・シーレはジョジョのモデルになった(?)とも言われる特徴のあるポージングと色合いの人物画を多くて描いたオーストリア出身の、1890-1918年のわずか28歳でこの世をたった(スペイン風邪の病によるもの)画家である。
キャンバス地上の絵画表現に留まることなく、絵画を通した受け手との内的交流など、絵の更なる延長線上の模索をする等、表現への没入感漂う画家に感じた。
様々な絵画があるなかで個人的に気に入った一作がこちらです。絵画がというよりもしかしたら絵画にまつわるエピソードが人間くさくて好きなのかもしれません。
レオポルトツィハチェックの肖像画
この方は、14歳で父を亡くしたシーレの後見人(レオポルトの叔父さん)である。美術アカデミーへの進学を経済的に支援した人物である。
シーレ家はそもそも医者などを輩出していたブルジョワ、エリート家で、レオポルト氏は当初美術の道へ進むのを反対していたそうです。
ただ、シーレが通っていた学校の美術の教師の進言などもあり、シーレは難関のウィーン美術アカデミーに最年少で受験をパスします。
それをきっかけにこのレオポルト叔父さんは、美術アカデミー進学の経済的支援に大きく寄与することになります。
シーレが難関美術アカデミー最年少合格を勝ち取った事実をきっかけに元々反対していた美術の道を認め、さらに確り肖像画を描いてもらっているところが、なんだか人間くさくて好きです。(このとても堂々とした出立ちも好きです。パンツあたりの大胆なハイライトも好きです。)
経済的に豊かで才能があったとしても、シーレが自身で客観的評価を得られる機会をものにしたからこそ、開花できた才能であったのかなと、感じました。
とはいえ、相当の才能の持ち主であった為、例え美術アカデミー進学の機会が無かったとしても誰かが彼の才能を見抜いてたかもしれませんね。
とはいえ(2)、それは彼が迷いながら父(生前)や周囲にも反対されながらも描き続けたことが1番大きかったのかなと、思います。