【タガノ馬応援記】タガノビューティー、彩の国に初見参
ダート競走の体系整備に伴い、さきたま杯がJpnIへ昇格。埼玉県民としては素直に嬉しかった。レースの数日前に競馬場の最寄りである南浦和駅の隣駅・浦和駅で下車したが、さきたま杯のポスターが多数張り出されるなどお祭りムード。そのさきたま杯に悲願の初タイトル獲得を目指してタガノビューティーが出走となれば、浦和競馬場へ行かない手はない。
当日は用事を済ませてから浦和競馬場へ向かった。到着したのは13時30分。17時45分発走のさきたま杯まではまだ時間があったが、場内の飲食店は軒並み行列ができており、スタンド内も人で溢れ返るという状況。昨年のさきたま杯も現地で観戦していたが、その比にならない人が浦和競馬場に足を運んでいた。さきたま杯の発走時刻が迫るにつれてパドックに留まる人が増え、10Rの出走馬が本馬場へ向かうころには身動きが取れなくなっていた。そして多くの人が見守るなか、さきたま杯出走馬がパドックに姿を現した。
タガノビューティーを現地で応援するのは今回で7度目だったが、馬体のハリは一、二を争うほどによかった。この馬は本当に7歳なのか…?と疑いたくもなった。究極の小回りコースでの一戦であることに加えて王者・レモンポップをはじめとした強豪が多数出走していたことから苦戦は避けられないとみていたが、少し自信がついたパドックだった。
こうして、期待と不安が交錯するなか第28回さきたま杯のゲートは開かれた。スタート自体は無難に切ったものの、二の脚がつかなかったタガノビューティーは最後方で1コーナーを通過。浦和コースでこの遅れは致命的であった。3コーナーから4コーナーにかけてポジションを押し上げ4番手で直線を迎えたが、先頭のレモンポップとはかなりの差がついていた。上がり最速の末脚で猛追したものの、3着のシャマルにクビ差迫るのが精一杯。17度目の重賞挑戦は4着とまたしてもタイトルには手が届かなかった。しかしながら決して向いているとはいえない条件下で懸命に走ったタガノビューティーには頭が下がるばかりだ。 レースを制したのは断然の1番人気に見事応えたレモンポップ。早め先頭からイグナイターやシャマルを寄せ付けない完勝劇を演じてみせた。「もはや国内に敵はいないのでは…?」
そう感じさせるほどその強さは際立っていた。
タガノビューティーの次走は南部杯と発表されている。盛岡の地でレモンポップ、シャマル、キングズソードら強豪と再び相まみえることとなるのだ。昨年の南部杯、今回のさきたま杯の結果だけ見てもレモンポップが抜けた存在であることは認めざるを得なく、ここでも厳しい競馬になるだろう。しかし、諦めきれないというのもまた事実。18度目の重賞挑戦はどのような結果をもたらすか…。まずは無事にレースを迎えられることを祈りたい。