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子門真人「およげ!たいやきくん」 毎日毎日僕らは鉄板の上で焼かれていやになっちゃうよ
日本屈指のメタファーソング。今の私に刺さりまくる。
1975年にリリースされた曲だけど、大ヒットは76年かな。ウィキペディアによると、オリコン史上初のシングルチャート初登場1位・11週連続1位を記録したのに加え、レコードは500万枚売れたともいわれる。
「毎日毎日 僕らは鉄板の上で焼かれていやになっちゃうよ」
このたった1行で、日本全国のサラリーマンの思いを過不足なく代弁しきっている秀逸な文章。
「ある朝 僕は店のおじさんとけんかして海に逃げ込んだのさ」
サラリーマンもどれだけけんかしてどこかに逃げ出したいことか!
そこから、海の自由を満喫する光景が描かれる。
「おなかのあんこが重いけど」も中高年のビールっ腹を表現している?
で、結局、腹が減って(経済的に疲弊して)、食いつけば(謝って)、釣り針だった(社畜としての首輪をつけられた)って、共感しかない。
「どんなにどんなにもがいても
針がのどから取れないよ
浜辺で見知らぬおじさんが
僕をつり上げびっくりしてた」
もがいても抜け出せないのに・・・。
「やっぱり僕はタイ焼きさ
少しこげあるタイ焼きさ」
は、悲壮感がただよって、泣けてくる。はあ。
子ども向けに作って、これほどまで大人に受けた曲・・・。まあいくつかあるけど、この水準はほかには知らない。
思い入れたっぷりにカラオケで歌ったら、みんなに白い目で見られた。まあ、ドン引きしてもらうのはうれしいんですけどね。
リリースから45年経ってもなお、多くの人のこころに響き続けている。
2022年6月28日 トラジロウ