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スピッツ「ヤマブキ」 ハングリー剝がされても よじ登っていけ

アルバム「見っけ」(2019年10月9日リリース)の12曲目。
アルバム発売前のファンクラブイベ「ゴースカ7」で、新曲として「ヤマブキ」か「悪役」が演奏されていました。私が行った広島では「悪役」の方が演奏されました。

「悪役」もとてもいい曲なので、またの機会に。

植物のヤマブキについてネットで調べてみました。
ヤマブキは、黄金色に近い黄色の花をつける。花言葉は「気品」。どれほど、歌詞とリンクしているのかは分かりませんが、一応。

ギターの強い前奏から、草野さんの強いけど、少しだけ卑屈な歌詞で曲が始まります。この曲、スピッツ自身のことを歌っていると感じます。

「似たような身なり 似たような能力
群れの中から 抜け出したのさ
監視カメラよけながら」

普通、ロックバンドが自身の来歴を語るとき、もっとカッコいいというか、カッコつけるというか、綺麗に語りそうなものですが、さすが草野さん。一筋縄ではいきません。少々、自分たちを落としてしまいそうな表現を使いながら、「こんな俺達でもやってこれたよ。これからもやってくぜ」って、歌う。

「夜の泥に染まって走れば 遠くに見えてきた
あれはヤマブキ 届かない崖の上の方で
ハングリー剝がされても よじ登っていけ」

ねっ。ヤマブキがどんな存在なのか、少しわかりくいけど、理想的なものだと設定すれば、自分たちはまだ届いていないから、まだまだ上がっていくという決意でしょうか。
「ハングリー剥がされても」??? どういう意味だろう。現在のスピッツのことでしょうか。ある程度、金を手にして、ハングリーではなくなってしまったけど、それでもちゃんと上を目指せ・・・・的な。

「滑らかに永遠をかたるペテン師に 生き抜く勇気を頂いてたけど
田植えの季節過ぎれば 雨がいろいろ消してくれそうで へへへと笑ってみた
恋はヤマブキ 新しい光を放ってる
邪悪とみなされても 突き破っていけ」

2番的な存在の歌詞は急にトーンが変わりますね。
バンドというよりも、人生とか、恋愛の部分の紆余曲折を歌っているでしょうか。

だまされながら、生きてきたけど、「田植えの季節」って1年で言えば5月とか6月で、それが過ぎてやってくるのは梅雨。
1年を人生に置き換えると、田植えの時期が青年期(20~30代前半)でしょうか。梅雨や台風がやってくる7~9月が人生の中盤である中年期(30代後半~40代)と言える?
いろいろな恥ずかしいことも、「雨」が消してくれた。でも、人生における「雨」って何だろう?

結局、うまく解釈できないのですが、方向性は同じっぽいですね。
カッコ悪いけど、「邪悪とみなされても 突き破っていけ」と言い切る。

ああ、なるほど。
そういうことか。
スピッツ自身はものすごく輝いているように見えるけど、草野さんはこう言いたいんじゃないかな。
「そんなかっこいいもんじゃないよ。でも、俺たちは俺たちなりに泥くさく必死でやってきたよ。人生の途中で、誰かに何か言われても、関係ないよ。自分の信じた道を進もうよ。俺たちもまだまだいくよ!」

違うかな?
まあ、違っててもいいのよ。自分に都合の良い解釈をして、元気をもらえるなら!

2022年9月25日 トラジロウ

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