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映画「エルヴィス」 ※まだ観ていない人は読まないでください。


日本では、7月1日に公開。もう少しで見逃すところだった。noteのレビューで、ちらりと読んで、「これは面白そうだな。観ておかないと後悔する」と感じて、即、今日行ってきました。いきつけの映画館では、上映終了日が8月4日だったため、もし、今日を逃したら、映画館で観るのは不可能でした。よかったあ。
ありがとうございます、noteのレビュー。

ネタバレがある可能性があるので、ここから先はあまり読まないでください。

「エルヴィス」
これは絶対に映画館で観るべき。こういう映画こそ、映画館で観るべきです。

エルヴィス・プレスリーが亡くなったのが、1977年8月16日。私はまだ4歳。なので、プレスリーに関する知識が全然ありませんでした。

基本的に、シンガーソングライターに興味がある私はこれまで、純粋なるシンガーのプレスリーには、興味を抱くに至りませんでした。これほどまで魅力的な人物だったとは・・・。反省。

この映画のつくりの魅力に見事、プレスリーの魅力にハマってしまいそうです。さて、CD借りにいこう。映画見るまでは「Can’t Help Falling in Love」ぐらいしか、知らなかった。

この映画の大きなテーマは二つ。
一つが、保守的な時代に自由を獲得するための闘いではないだろうか。
今の時代から見れば、明らかにおかしい黒人差別がまかり通っていた時代に、その矛盾の一端と命をかけて闘ったことがよく分かる描写が、映画にたくさん詰め込まれいました。

特にメンフィスのラスウッド・パークスタジアムでの自身の進退をかけたようなパフォーマンスを披露したシーンは圧巻。プレスリーを演じた「オースティン・バトラー」の力も見事でした。プレスリーは自身の思いを歌にしたわけではありませんが、生き方、姿勢はロックそのもので、自由との闘いがこういった形が存在していることを改めて、知らされました。

黒人差別の残酷さの歴史も垣間見える映画になっており、この点も一見の価値があります。黒人由来の音楽である「ブルース」「リズム&ブルース」と白人の音楽を融合させ、昇華させたという功績も大きい。

もう一つの重要なテーマが、マネジャー「トム・パーカー」にある意味では飼い殺しにされた側面を丹念に描いていた点。

映画の最後でこんな言葉がプレスリーの言葉のように紹介されていた。でも、たぶんプレスリーの言葉ではないんだろうな。
「足のない鳥がいる。ただ、飛び続けて疲れたら風に乗って眠る。地上に降りるのは死ぬときだけだ」
映画の最後に、この詩は心にグッとくる。プレスリーの生きざまとあまりにもリンクしすぎているんだよね。

そして、最後に流れるエルヴィス本人の映像で、ライチャスブラザーズの「アンチェインドメロディー」を歌うシーンは泣ける。泣ける。

お近くの映画館でもし、まだ上映していたら、ぜひ観てください。

2022年8月1日 トラジロウ

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