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スピッツ「砂漠の花」 僕の背中をなでる 生きていく力をくれたよ
アルバム「さざなみCD」(2007年10月10日リリース)の最後を締める13曲目。「桃」「ルキンフォー」「魔法のコトバ」と非常にパワフルな曲がひしめく中でも、「砂漠の花」が持つ力の強さは絶品だ。
ただ、難解な歌詞を書く草野さんにしては、比較的分かりやすい曲といえるのではないだろうか。
優しいイントロで始まり、歌詞はサビからスタートする。
「砂漠の花の 思い出は今も 僕の背中をなでる
生きていく力をくれたよ」
このフレーズがすべてを語っていますね。
「君と出会えなかったら モノクロの世界の中
迷いもがいていたんだろう 『当たり前』にとらわれて」
「君」とは誰なんだろうね。昔の彼女?昔の友人?昔からのファン?
明確な解釈はできないけど、それぞれの聴き手に任せてくれるような歌詞になっているのも、スピッツらしい。
思い出が「僕の背中をなでるような生きていく力」をくれた。
「押す」のではなく、「なでる」。
草野さんの優しさをものすごく感じる言葉選択。
このあたりから、なんとなく、「思いを寄せていた誰か」というイメージがふわふわと浮かんでくる。
「ずっと遠くまで 道が続いている
終わりと思ってた壁も 新しい扉だった
砂漠の花の思い出を抱いて
ひとり歩いていける まためぐり会うときまで」
決してハッピーエンドではないですが、ものすごく前向きなトーンで、締めくくっていますね。好き。
自分にとっての「砂漠の花」を想像してみる。
さまざまな場面で大切な言葉をくれた人たちが浮かぶ・・・。
みんな、何してるのかなあ。
2022年11月17日 トラジロウ