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スピッツ「歌ウサギ」 どんだけ修正加えてみても美談にはならない
「先生!、、、好きになってもいいですか?」という広瀬すず主演の映画の主題歌がこの「歌ウサギ」らしい。
全然、知らんかった。
今回、この文章を書くに当たって、調べていたら、すぐに出てきた。
「CYCLE HIT 2006-2017 Spitz complete Single Collection」に入っていた三つの新曲のうちの一つという認識しかなかったなあ。そうか、映画のね。
映画の公式HPには「スピッツcomment」として、
「恋愛は大体がキレイ事ではありません。でもそんな中で悩んでもがくのが醍醐味だとオジさんたちは思うのです。恥ずかしい思い出と向き合いながら作った曲ですが、この可愛い恋愛映画に寄り添うことが出来れば幸いです」
との文章を寄せています。
ということは、この曲がつくられて発表された後に、映画の関係者が「歌ウサギ」を主題歌にしようと考えたということでしょうか。
この映画、観たことないから、今度観よう。どこで観られるのかしら?
「歌ウサギ」
の歌詞を見ていきます。またまた、難解。
登場人物は僕と君ですね。
「こんな気持ちを抱えたまんまでもなぜか僕たちは ウサギみたいに弾んで」
「どんだけ修正加えてみても美談にはならない」
草野さん特有の「歌ウサギ」というかわいらしいタイトルに、毒を盛っているタイプの曲だと推察します。
いや、でも、詳細を語らない歌詞からは、いろいろな想像、妄想が膨らみますね。
「歌う」という言葉が、ある意味では、性交渉のメタファーのようにも聞こえてきます。
サビは「今歌うのさ」から
「ひどく無様だけど 輝いたのは すがすがしい堕落 君とつないだから」
「フタがしまらなくて あふれそうだよ タマシイ色の水 君と海になる」
うーん、だんだん性的な意味にしか読めなくなってきた。
「経緯とか勇気とか生きる意味とか 叫べるほど偉くもなく さっき君がくれた言葉を食べて歌い続ける」
大サビではこう言い切る。
不倫なのか、映画と同じく先生と生徒の恋なのか、浮気なのか、具体的には全然分かんないけど・・・。
「例外ばっかの道で不安げに固まった夜が 鮮やかに明けそうで」
という言葉が、悪く言えば、「正当化している」ようでもある。きれいに言えば、「そんなきれいな恋愛ばかりじゃないよ。仕方ないよ」と優しく許しているようにも見える。
僕の「強い意志」の裏側に、僕の「自信のなさ」が垣間見えるこの曲は、とてつもなく優しい視点がないと絶対に書けないと思う。
2022年8月12日 トラジロウ