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ジャニス・ジョプリン「Mercedes Benz」 That’s it!

ジャニス・ジョップリン。

27歳で早逝した米国のロックシンガー。最も著名な曲と言えば、「Move Over」ではないだろうか。あるいは「Summertime」。でも、もっと好きな曲がある。

1970年10月4日が命日なので、私は生まれていない。伝説を後で、聴いただけなんだけど、ジャニスのこの声はほかの誰にも表現できるものではない。

ジャニスの曲で最も好きな曲は「Mercedes Benz」。

曲の前、「今から、Great social(社会的)で、Political import(政治的に重要)な歌を歌うわ」と宣言して、歌いだしていく。

神様にベンツを買ってほしい、カラーテレビを買ってほしい、夜の街を買い占めさせてほしいとかすれ声で歌う。
ほぼアカペラのこの曲が好きなんですよね。

もちろん、文字通りの歌ではないよね。そんな風に無限に所有しようとする消費社会への痛烈な皮肉。現代のような極大消費社会を見たら、ジャニスは何を歌うだろうか。

で、最後は「That’s it」と言って、アハハハハハとおどけたように笑って終わり。
かっこいい!!

当時の米国の歴史的背景とか、蔓延するドラッグとか、この曲を収録した3日後に亡くなるジャニスのこととか、あまり知らないんだけど、メルセデスベンツという固有名詞を挙げて、皮肉を歌いきるセンスに圧倒される。

かといって、自分自身が現代の消費社会を批判するわけではないし、なんなら欲しいものをどんどん買ってしまう。すみません、ジャニス。それとこれとは話が別。

でも、10月4日の命日には、この曲を聴いて過ごそう。

1970年と言えば、12月8日にジョンレノンが亡くなった。この年は、世界にとって大切な存在が相次いでいなくなったんだね。合掌。

2022年6月 トラジロウ

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